日本ではまだあまり知られていない「プレディクション・マーケット(予測市場)」が、米国で急速に存在感を高めている。米国では、2024年のトランプ大統領選をきっかけに市場は急拡大し、金融市場だけでなく、政府の政策立案や経済界、スポーツ、エンターテインメントなど幅広い分野に影響を及ぼし始めている。実際、今大会のFIFAワールドカップでADI Predictstreetが公式スポンサーに加わり、スタジアムには同社の広告が掲出されている。さらに、ストリーミングの世界放映権をもつDAZNとも戦略的パートナーシップを締結した。
プレディクション・マーケットとは、将来起こる出来事を金融商品として売買し、その市場価格を「その出来事が起こる確率」とみなす仕組みだ。
例えば、「トランプ大統領は中間選挙で勝利するか」「イランとの停戦は成立するか」「FIFAワールドカップでフランスが優勝するか」などが取引の対象で、参加者は「Yes」か「No」の契約を購入し、仮に「Yes」を80セントで購入した場合、市場はその出来事が約80%の確率で起きると予測していることになる。
大学の研究から始まり、企業利用を経て急成長
プレディクション・マーケットの起源は1988年から90年代にかけて行われたアイオワ大学の経済学研究にある。「市場は世論調査より正確」という研究結果が数多く報告され、2000年代にはGoogleやMicrosoftなどが、新製品の発表、売り上げ、新規企画商品の成功率などを予測するために導入したことで、広がり始めた。
その後、2010年代には暗号資産技術の発展を背景に、Augurなど分散型プレディクション・マーケットが登場。そして2024年の米大統領選を契機に取引高は爆発的に拡大した。
成長は著しく、市場規模は2024年の約2.3兆円から2025年には約9.6兆円、2026年には約36兆円まで拡大すると予測されており、ウォール街のアナリストのなかには2030年に150兆円規模へ成長するとみる声もある。



