6カ月前に就任したばかりで国民の人気も高いウクライナのミハイロ・フェドロウ国防相が解任されるらしいという話は、数日前から伝わっていた。だが、15日に実際に解任されると国内に大きな衝撃が走り、各地で大規模な抗議デモが起こっている。
フェドロウは今年1月に国防相に就く前から、ウクライナ政府でドローン(無人機)戦分野のリーダーだった。前職のデジタル変革相時代、彼はドローン戦の可能性について軍の同僚たちよりもはるかに深い洞察力を示し、従来の調達ルートを経由せず前線へドローンを届けるためのクラウドファンディング・プロジェクト「Army of Drones(ドローン軍)」を立ち上げた。国防相としては、彼一人の功績ではないものの、ウクライナ軍がついにロシア軍の攻撃を鈍化させ、反撃に出るという戦況の大きな転換を監督した。
多くのウクライナ国民はフェドロウの更迭を、国の戦争努力を大きく損なうものと受け止めている。
数々の成果
35歳の元起業家であるフェドロウは解任を毅然とした態度で受け入れ、ソーシャルメディアに投稿した声明では「国防相として国民に奉仕できたことは大きな名誉でした」と述べたうえで、自身のチームの成果を列挙した。それには、イーロン・マスク率いる米スペースXに働きかけて衛星通信網「Starlink(スターリンク)」へのロシア軍のアクセスを遮断させ、その指揮統制を大混乱に陥れたことなど、広く称賛されたものが含まれる。
一方で、調達制度の抜本的な改革のように、そこまで大きな注目を集めなかった成果もある。就任早々、フェドロウは大規模な監査を実施し、その結果、数十億ドルにのぼる汚職取引が発覚したと報じられている。改革の実行は迅速で容赦のないものだった。
フェドロウは地元テレビ局のニュース番組「TSN」で、その際の対応について次のように語っている。「全員にポリグラフ(うそ発見器)を受けてもらうことにしました。検査を拒否した者は即座に解雇されました。検査に同意したものの、結果が悪かった者も解雇されました。問題なく検査に合格した人たちは、引き続き働いています」
フェドロウは起業家らしい気風を国防省に持ち込んだ。必須の装備を購入するための予算がないとわかると、従来なら考えられなかったような方法で資金を捻出した。



