声明では次のように自身の取り組みを振り返っている。「予算ゼロの状態で国防省を引き継ぎ、リスクをとり、年末用の給与予算を振り替え、その資金を中距離攻撃能力や光ファイバーFPV(一人称視点)ドローン、低コスト偵察システム、地上ロボットプラットフォーム、迎撃ドローン、長距離攻撃ドローンに効果的に投じました」
成果は一目瞭然だ。ウクライナによるロシアの石油施設に対する長距離攻撃作戦はロシア各地でガソリン不足を引き起こし、経済危機の始まりにつながった。ロシア占領下のウクライナ南部クリミア半島に対する中距離攻撃作戦では、補給をほぼ遮断し、域内の電力網も機能不全に陥らせた。その結果、クリミアに対するロシアの支配力は弱まっている。
戦場では、フェドロウは「アシャン(オーシャン)作戦」を実施した(編集注:作戦名は、ウクライナ侵略後もロシアで事業を継続しているフランスの大手スーパーチェーンにちなむとみられる)。これはドローンを集中投入する電撃戦で、ロシア軍の攻勢作戦を6カ月にわたりほぼ抑え込んできた。
ウクライナ軍が慢性的な人員不足に悩まされるなか、フェドロウは人員の待遇改善にも取り組み、前線で戦う歩兵の月額報酬を以前の10万フリブニャ(約36万円)程度から30万フリブニャ(約110万円)程度へと大幅に引き上げた。また、無許可離隊(AWOL)と記録されている数十万人の軍人について、処罰するよりも復帰を促す措置を講じた。さらに外国人志願兵の採用を拡大する方針も示し、歩兵・突撃部隊の定員の最大50%を外国人で埋めることを目標に掲げた。
わずか半年で、フェドロウは驚くべき成果をあげた。X(旧ツイッター)のあるユーザーはこう投稿している。「ウクライナの2025年と2026年の戦果に歴然とした違いがあることを否定できる人っているのかな。もしかすると、フェドロウはちょうどよい時期にちょうどよい地位にあっただけなのかもしれないけれど、それでもいまあえて彼を交代させるリスクをとるべきなの?」
既得権益者や守旧派との対立
とはいえ、これほどの改革を断行すれば、現状維持を望む勢力の間に敵をつくるのは避けられない。その筆頭は、従来の調達制度で恩恵に浴していた者たちかもしれない。


