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AI

2026.07.17 09:52

AI時代に最も賢明な一手は、Z世代人材に賭けることだ

Adobe Stock

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AIファーストの世界で最大の機会は、若手人材を置き換えることではない。彼らに賭けることにある。

今日、Googleというブランドは、道案内の検索からビデオ会議、夕食の予約まで、あらゆることをこなすアプリケーションで知られている。

しかし2001年当時、Googleは単なる検索エンジンにすぎなかった。その頃、24歳のソフトウェアエンジニアだったポール・ブックハイトは、上司から異例に大きな裁量を伴う任務を与えられた。メールかパーソナライゼーションに関わるプロダクトを、何でもよいから開発し始めることだった。

Hotmailのようなウェブベースのメールサービスはすでに存在していた。だがポールには、世界中の何百万人もの人々の日々のコミュニケーションのあり方を変えることになる、シンプルなアイデアがあった。メールの受信箱を簡単かつ効果的に検索できたらどうだろうか、というものだ。

その翌日、彼はGmailの最初のバージョンを作り上げた。2004年に一般公開される前に、Gmailは社内に広がった。現在、Gmailの利用者は約25億人に上り、世界最大のメールサービスプロバイダーとなっている。

だが、若手人材がテクノロジー業界での就職に苦戦している今日の世界で、ポール・ブックハイトは同じ機会や、上級の同僚から同じレベルの信頼を得られるだろうか。

おそらく、そうではない。

今日の若者は、雇用市場で足場を失いつつある。25歳以下の労働者の割合は、2022年から2025年にかけて14.9%から8.8%に低下した。テクノロジー業界では、状況はさらに厳しい。大手テクノロジー企業15社では、新卒採用が半減している

なぜこのようなことが起きているのか。企業が採用に慎重なのは、経済の先行き不透明感が理由だという人もいる。経験豊富な人材を求める大きな流れがあるという見方もある。実際、2025年の新規採用者の平均年齢は42歳だった。

しかし、避けて通れない問題は人工知能(AI)である。大胆な予測が何年も続いた後、私たちはいま、AIの影響が現実のものとなる局面を生きている。その恩恵は計り知れない一方、多くの人はAIエージェントがエントリーレベルの仕事を時代遅れにしてしまうのではないかと恐れている。実際、複数のテクノロジー企業のリーダーは、採用を最後の手段とみなすような、積極的な「AIファースト」の姿勢を取り始めている。エージェントがこれほど上手にコードを書けるなら、なぜ若手エンジニアを雇う必要があるのか、というわけだ。

私は、この論理には欠陥があると考えている。企業の長期的な存続を重視するなら、新しい世代の働き手を切り捨てることは戦略上の誤りだ。Tinderでは、私たちは逆張りの賭けに出ている。キャリア初期の人材に全面的に賭けているのだ。

先見性のあるすべての企業が同じことをすべき理由は、以下の通りである。

AIネイティブ性と経験

今日、AIは企業が新しいプロダクトをより速く構築し、顧客によりよいサービスを提供することを可能にしている。明らかにゲームチェンジャーだ。そしてZ世代は、このテクノロジーとネイティブな関係を持つ唯一の世代である。だからこそ、すべての企業は、自社が作るもの、行うことのすべてを作り替えるために、彼らをチームに迎えたいと考えるべきなのだ。

最近、私がキャリア初期の開発人材を採用する際に見ているのは「傾き」だ。つまり、その人が学び、成長するスピードである。これほど急速に変化する世界では、若いエンジニアの学習曲線ははるかに急かもしれない。そしてAIツールに対するネイティブな流暢さのおかげで、その人はいずれ今日の専門家を上回ることになる。

今日の採用責任者は、一流企業での経験年数や学位のブランドよりも、基礎知識、勤勉さ、適応力を優先すべきである。

乗数効果

今日、多くの企業が効率性を語っている。だが、いま私たちが目にしているものは、AIが生み出す効率性に比べれば取るに足りない。

AIエージェントは、個々のエンジニアを10年前の10倍生産的にするほど強力になっている。だが企業は、この乗数を採用凍結やコスト最適化に使うのではなく、野心を拡大するために使うべきだ。

それは、AIによってエンジニアが入社直後から期待以上の成果を出せるようになるため、思慮深く採用するということを意味する。この「乗数効果」によって、企業はこれまでで最も野心的なロードマップを描くことができる。

これはマインドセットの転換である。強力なツールを操るパイロットを採用し、ユーザーに指数関数的に大きな価値を提供する企業は、採用を凍結してコスト削減に注力する企業を上回るだろう。

マネーボール的アプローチ

採用の力学においても、効率性について考えることは重要である。シニア人材の市場は効率的だ。シニアエンジニアが実力を証明する頃には、市場はその価値を把握している。彼らは高い報酬を求めるうえ、MetaやGoogleのような資金力に最も勝るテクノロジー大手から引き抜くのは難しい。

一方、キャリア初期の人材市場は、非効率であることで知られている。まだ証明されていないポテンシャルを評価するのが、ほとんどの企業は不得手なのだ。これにより、オークランド・アスレチックスで有名になったマネーボール的アプローチのように、過小評価された人材を獲得する裁定機会が生まれる。

高いポテンシャルを持つ候補者を見つけるためのより優れた仕組みを構築すれば、市場の他のプレーヤーがその価値に気づく前に、素晴らしい人材を仲間に迎え入れることができる。戦略的な採用責任者にとって、それは履歴書だけでなく、その人のプロジェクト、好奇心、意欲を見ることを意味する。

顧客との近さ

最後に、未来を生きる人々を理解していなければ、未来を築くことはできない。

Z世代はトレンドを作り、文化を形づくり、これまでのどの世代とも異なる方法で買い物をしている。彼らと関わるために、企業は従来の勝ち筋に頼ることはできない。これはTinderにとって存亡に関わる問題である。Z世代は、ミレニアル世代やX世代とは異なるレンズを通して、デート、恋愛関係、アイデンティティを見ている。

すべてのテクノロジー企業にとって重要なのは、Z世代の人材を採用するだけではない。彼らに権限を与えることでもある。これは、新しい世代のリーダーを育て、すべてのAPI呼び出しと機能仕様に顧客の声が反映されるようにすることを意味する。当社のプロダクトロードマップは、Z世代のために作られているだけではなく、Z世代に着想を得いる。

若い人材にチャンスを与えよ

コーチングに適切に投資すれば、キャリア初期の人材はいずれ、企業の未来のリーダーへと変わっていく。

キャリア初期の採用者は形成途上にある。彼らは企業文化や仕事の進め方を吸収する。私は自分のチームで、それを直接目にしている。私のエンジニアリングリーダーシップチームのメンバーは、全員が5年以上会社に在籍している。彼らは社内で成長してきた。彼らは当社の技術スタックに関する深い専門知識を持っているが、それ以上に重要なのは、当社の文化のDNAを受け継いでいることだ。

キャリア初期の人材を採用することは、賭けではない。慈善でもない。成長への投資である。

forbes.com 原文

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