2026年におけるSNDKの強気シナリオ
モルガン・スタンレーはサンディスクの投資判断を「オーバーウエート」に据え置いている。理由は、メモリー不足に「手早い解決策はない」ことだ。資金を投じる意思があっても、新しい製造用クリーンルームを立ち上げるには何年もかかる。その結果、供給の逼迫は2〜3年、あるいはそれ以上続くとモルガン・スタンレーは見ている。サンディスクのようなメモリー企業にとっては、相当な追い風である。SNDKの目標株価は1100ドルから1750ドルへ引き上げられた。
サスケハナはサンディスクに極めて楽観的だ。投資判断を「ポジティブ」としたうえで、目標株価を2000ドルから3250ドルへ引き上げた。業界調査から価格の勢いが強いと判断したためである。4〜6月期のメモリー業界の動向は上向きで、DRAMの平均販売価格が前四半期比50〜60%上昇するのに対し、NAND価格はさらに強い75〜100%の上昇になると見込む(ただしサスケハナは7月23日、社内モデルの誤りを修正して売上高とEPSの前提を見直したとして、SNDKの目標株価を3050ドルへ引き下げた。投資判断のポジティブは維持している)。
(編注:投資判断の呼称は証券会社ごとに異なり、統一された規則はない。本稿に登場するアウトパフォーム[バーンスタイン]、買い[バンク・オブ・アメリカ]、オーバーウエート[モルガン・スタンレー]、ポジティブ[サスケハナ]は、いずれも各社の体系における強気の格付けだが、同じ語ではない。オーバーウエートは、その銘柄を株価指数の構成比率より多く持つべきだという推奨であり、株価の上昇率を予想するアウトパフォームとは意味が異なる)
2026年におけるSNDKの弱気シナリオ
サンディスクの目覚ましい上昇を支えてきたのは、NAND型フラッシュメモリー市場の構造的な不足であり、それが同社に大きな価格支配力を与えてきた。これに対する弱気派の言い分はこうだ。半導体不足が起きると、顧客は在庫を二重に発注するのが歴史の常である。生産能力が需要に追いついた途端、そうした受注残は急速に消え、供給過剰と価格の急落を招くことが多い。
ハイパースケーラーの支出の勢いは、急激に鈍りつつある。UBSの推計では、ハイパースケーラーの設備投資は2026年76%増の6730億ドル(約109.7兆6990億円)に達する。それが翌年には25%増にとどまり、2028年には6%増まで落ち込む。この伸びの鈍化は、サンディスクのような景気循環型の半導体株にとって主要なリスクと受け止められている。
競合他社も手をこまねいているわけではない。サムスン、SKハイニックス、マイクロン(MU)、および中国のメモリーメーカーは、増産に向けて積極的に投資を行っている。新しい製造設備が稼働するまでには通常数年かかるものだ。しかし予想を上回るペースで増強が行われれば、最終的には現在の供給不足を緩和し、価格支配力を弱め、業界の利益率を圧迫する可能性がある。
最後に見落とせないのが、SKハイニックスによる先ごろのナスダック上場である。同社は7月10日に米国預託証券(ADR)を上場し、265億ドル(約4.31兆円)を調達した。サンディスクやマイクロンといった米国の半導体メーカーから、投資資金を吸い上げる可能性がある。


