経済

2026.07.23 17:00

日本、約370兆円の賭け──「未来が最初にやってくる国」は再始動するか

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計画の背後にある計画

筆者が2030年に向けた中国の青写真について書いたコラムを読んだ読者なら、共通するテーマに気づくだろう。日本は隣国の五カ年計画型の産業政策マシンを、警戒と、そして明らかにメモを取りながら見つめてきた

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Noetraは、6月に発表された14年間の国家成長戦略の一部だ。この戦略は、2040年までに17の戦略分野で官民合わせて370兆円の投資を目指す。最大のシェアは半導体で68兆円、その中核には先端2nmロジック製造への大胆な復帰を目指すラピダス(Rapidus)が据えられる。フィジカルAIは10.5兆円、バイオ医薬品は20.8兆円、核融合は3兆円。量子コンピューティング、宇宙、造船、防衛、そしてうれしいことにアニメ・映画もラインナップされている。最後のコンテンツ分野には年間輸出20兆円という、日本の自動車輸出に匹敵する目標が付いている。経産省の予算自体も、これらすべてを賄うため今年度におよそ50%増加した。

名誉のためにいえば、東京は「どこでなら勝てるか」について珍しく自分に正直だ。霞が関の誰も、日本が最先端のLLM(大規模言語モデル)でOpenAIを上回るトレーニングを行えるなどとは考えていない。むしろ内在する論理は、日本が失わずに得意であり続けたものを軸に組み立てられている。

日本は今も世界の産業用ロボットの約38%を生産しており、その工場にはシリコンバレーのどんな研究所もインターネットから収集できない、何十年分もの独自の操業データが蓄積されている。賭けの中身は、AIの次の幕が物理世界で争われるというものだ。そこでは、ハードウェア、センサー、精密製造、工場現場のデータが弾薬となる。これは、日本がすでに武装した状態で参戦できる領域である。エヌビディア(NVDA)も明らかに同意している。ジェンスン・フアンCEOは過去2年間、日本の政治家と同じくらい熱心に、日本のロボットメーカーに働きかけてきた。

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細則にも、すがすがしい規律がある。Noetraへの資金提供には年次のステージゲート審査(段階評価)が付されている。確定しているのは最初の2年間だけで、マイルストーンに遅れが生じれば、東京は静かに撤退できる仕組みを設計している。これは、通常サンクコスト(埋没費用)の原則で動きがちな産業政策では、この種の細部はめったにお目にかかれない。

資本配分文化の是正

ここからが資本市場の専門家にとって興味深いところだ。というのも、日本のイノベーションへの野心は長らく、極めて特異な資金調達の病理によって窒息させられてきたからである。

日本は世界水準の科学と工学を生み出している。しかし、そのベンチャーエコシステムは歴史的に、企業が最も資金を必要とする局面──有望なスタートアップが世界的な競争相手へと成長するレイターステージのグロースラウンド──でガス欠を起こしてきた。国内での対応策として存在するのが、政府系の産業革新投資機構(JIC)だ。JICはグロースステージ向けファンドや、IPO前のセカンダリーに特化したビークルを運営しており、3月には機関投資家LPを日本のベンチャーファンドに呼び込むことを狙った「モデル・タームシート」(出資条件のひな型)を公表した。これは、既存のファンド条件が「大人のマネー」を遠ざけていたことを、丁寧に公式に認めるに等しい文書である。

ちょっとした革命

心強いのは、その大人のマネーがそれでも到着し始めていることだ。コースラ・ベンチャーズ、NEA、ベッセマーはいずれも、日本のスタートアップに直接小切手を切り始めている。アンドリーセン・ホロウィッツは案件発掘のため、日本に現地オフィスを開設したばかりだ。この春に施行された新たな法制度事業性融資推進法)により、スタートアップはノウハウや顧客関係といった無形資産を融資の担保に差し入れることさえ可能になる。銀行融資が伝統的に「写真に撮れるもの」を担保に要求してきた国では、ちょっとした革命である。

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