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ビジネス

2026.07.17 15:15

【30 UNDER 30特別対談】 AI時代、人は何に救われるのか──小杉湯原宿・関根江里子×LINEヤフー・川邊健太郎【後編】

川邊:サウナ施設という言葉が出てきましたが、昨今のサウナブームについてはどう捉えていますか。

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関根:相乗効果があると考えています。小杉湯原宿を開業するとき、「表参道や原宿ですっぴんで帰りたい女性なんていない」と言われました。しかし、家の外でお風呂に入ってメイクを落とし、その状態で帰るという行為への心理的なハードルを下げたのは、間違いなくサウナブームの功績です。パイの奪い合いという感覚はまったくなくて、家以外の場所で風呂に入ってリセットして帰るという文化を一緒に広げている感覚です。

川邊:一緒にすっぴん市場をつくっているわけですね。

銭湯に投資するための条件

関根:ひとつ、川邊さんにお聞きしたいことがあります。銭湯は「なくなると寂しい」と言ってもらえる。ないよりあったほうがいいとも思ってもらえる。ところが、では残すために投資するかとなると、ほとんどの方が引いていく。なくなる寂しさは感じても、残すためにお金を出すところまではいかない。この壁をどう越えればいいのだろうと。

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川邊さんなら、どういう条件であれば銭湯に投資されますか。逆に、投資しないと思われるとしたら、その理由もお聞きしたいです。

川邊:投資しないと仮に思うとしたら、数字の話になるからですね。預金しているより儲かるのか、他の投資先と比べてどうか。投資という言葉が出た瞬間に、どうしても数字で見てしまう。ただ、僕の場合は風呂やサウナが好きなので、利回りは低くても自分が通える心地よい場所ができるならお金を出していいという感覚があります。

純粋なリターンだけでなく、自分の生活が豊かになるかどうか。クラウドファンディングのような仕組みで、そういう投資ができるならいいですよね。利回り以外でいうと、自分がユーザーになれるかどうかは大きな判断基準ですね。

関根:なるほど。ユーザーとしての実感があるかどうか。

川邊:あとは動線ですね。銭湯は結局、家から近い場所が自分のホームになりますから、どんなにいい銭湯でもふだんの生活圏から外れていると足が向かない。

例えば田舎のロードサイドにコインランドリーやコンビニと一緒に銭湯があれば、洗濯の合間に風呂に入って帰りに買い物もできます。ノスタルジーに重きを置いて不便な場所に建てられるよりも、生活動線のなかにあるほうがユーザーとしても投資先としても魅力的です。

関根:動線と集約というのは、まさに今考えていることに近いです。銭湯だけを単独で建てるのではなく、その街の暮らしに必要な機能と一緒に整備することで日常に溶け込む場所にしたいと思い、実は新しいプロジェクトを進めています。

次ページ > 「この銭湯があるからこの街に住みたい」と思わせるくらいのものをつくる方向性も

加藤智朗=文 若原瑞昌=写真

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