山本健太郎は2019年9月、SoVaを創業した。同社は、100%オンラインで対応するバーチャル会計事務所。経理や人事労務などバックオフィス業務を一括代行する仕組みを構築。専門家の経験知に依存していた業務工程を細かく分解し、各項目をAIシステムに落とし込んだ。サービスリリースから2年半で、1000社超が顧問契約している。
クレストスキルパートナーズの南章行は、同社のシードラウンド、そしてシリーズAラウンドと2度にわたって投資を実行した。南が、継続投資した理由を聞いた。
南:やまけん(山本健太郎)と初めて会ったのは22年に開催されたとあるピッチイベントでした。私は審査員でしたが、まだバックオフィス業務をワンストップで支援する「バーチャル会計事務所 SoVa」をローンチしたばかりでした。例えば、役所手続きを案内するチャットの説明では、本店移転のケースを調べ上げ、1024通りのフォーマットをすべて揃えたという話だったんです。こんな地道なことをちゃんとやりきるタイプの経営者は、好きだなと思いました。
投資を決めた直接のきっかけは、その約1年後です。グロービスのアクセラレータープログラムで会話した際に、圧倒的な採用力があると聞いて驚きました。これは何をやっても勝てる。それが確信になって、23年3月に1度目の投資をしました。
山本:私は会計士予備校で講師を務めています。国内の公認会計士試験は年間約1500人が合格しますが、私が講師を務めるCPA会計学院は合格者の7割近くを出しており、そのうちの半数ほどが私の講義を見てくれています。認知率で言えば、かなり多くの会計士受験生がSoVaを知ってくれています。全国の実力上位の学生が、大手監査法人ではなくSoVaに来たいと言ってくれることもあり、採用には大きな強みがあります。
南:まさに他社がまねできない(アンフェア)アドバンテージです。会計士試験に上位100位以内で合格する人材は、努力とセンスの両方を兼ね備えていることも大きい。そもそも税理士は半数以上が65歳以上と高齢化が進んでます。多くの税理士事務所が手作業に依存するなか、SoVaは会計士試験の上位合格者をエンジニアとしても育成している。税務を含むバックオフィス業務全体をシステムで一括代行する仕組みを構築した。低価格なサービスラインナップを揃え、ユーザーにとっては複数の士業に依頼するコストと手間が大幅に削減できるから利用者が増えていく。優位性を説明するのに1分もかからないですよ。
山本:南さんは言語化がうまいですよね。複雑な話を一般化してくれるので、アドバイスは組織づくりに積極的に取り入れています。その一例が「マネジメントポリシー」です。何か制度を急いでつくるより、判断に迷ったときに役員全員が「うちはこうだから、なぜなら」と語れる状態を先につくるべきだ、という示唆をいただきました。今は役員7人で毎朝30分、どんな小さな判断でもそのジャッジを共有し、「SoVaってこういう考え方だよね」と、誰もが自分の言葉で語れるようになってきました。



