最大の修羅場は19年、アルバイト求人情報「an」のサービス終了だ。紙媒体からWeb媒体への転換が遅れた影響で「an」は万年赤字に。立て直しを命じられ、8つのプランをつくった。ただ、どのプランでも黒字化は程遠い。最終的には52年の歴史に幕を閉じる提案を担った。
「投資家からは厳しい指摘がありましたが、当時まだ3桁億円の売り上げがあって、誰も撤退を言い出せなかった。立て直しを命じられましたが、本当は私に引導を渡す役をさせたかったのかなと」
損な役回りを引き受け続けてきたのは、組織で生き抜くためなのか。そう問うと、瀬野尾は首を振った。
「昔はそうでした。でも、いろいろやってわかったのは、大変な仕事と向かい合ったほうが、レジリエンスが鍛えられてしなやかに生きられるということ。スポットライトが当たるところは若い人に預けて経験を積んでもらえればいいでしょう」
パーソルキャリアの社長になって5年目。今取り組んでいる「ハイクラス領域とAI・データ利活用」を進化させ業界で確固たるポジションを取った後は、「次の世代に任せたい」という。「未来はまだ何も決めていません。アルバイトしているかもしれないし、もっと大きな舞台で重責を担っているかもしれない。いずれにしても自分でキャリアを決めて、その日その日を大事に生きていけたらいい。今はそう思っています」
せのお・ゆう◎1973年生まれ。法政大学を卒業後、2000年にインテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。関連会社の役員を歴任し18年パーソルキャリア取締役執行役員、22年より現職。趣味は「働く」こと。


