半導体メーカーであるインテルの株価上昇。その背景には、気づかれることのなかったストーリーがあった。それは、同社にとって最も古く、最も強力な製品の、微かでありながら重大な復活だ。
2025年半ばが近づく中、インテル(INTC)が過去の遺物へと向かう過程でバリュートラップ(株価が割安なまま放置され、上昇のきっかけを欠く罠)に陥っているのではないかと考えるのも無理はなかった。2025年度第1四半期決算に基づくと、同社の直近12カ月間の売上高は前年同期比で4.0%減少し、マイナス36%という極めて深刻な純損失に直面していた。この数値は、マージンの圧迫がインテル株を脅かしているという議論を巻き起こすのに十分なほど悲惨なものだった。
オプション市場は活気を欠いており、株価急騰が始まるわずか数週間前には、インプライド・ボラティリティ(市場が予測する将来の株価変動率)は、過去1年の推移において比較的平穏な下位35%の水準にとどまっていた。
あらゆる兆候から見て、この株が369%上昇する準備が整っているようには見えなかった。
市場は何を見落としていたのか
ストーリーの一部は、典型的な「目くらまし」だった。世間の注目は、業界のリーダーたちに対抗するためにインテルが開発を進めていたAI専用アクセラレータチップ「Gaudi」に集まっていた。しかし、その分野からのニュースは失望を誘うものだった。2024年後半、経営陣はGaudiの普及が「予想よりも遅れている」こと、そして売上目標に届かない見通しであることを認めた。2025年初頭までに、同社は社内ベンチャーで進めていた次世代バージョンの市販製品としての開発中止を決定したと公表した。AIトレーニング分野におけるインテルの直接的な挑戦を注視していた人々にとって、この状況は後退のように映った。
しかし、このストーリーは同社の本質的な強みを見落としていた。
経営陣は中核であるCPU部門について何を示唆していたのか
Gaudiのストーリーが失速する一方で、バックグラウンドでは、しばしば同じ決算説明会の場で、より大きな影響力を持つもう一つのストーリーが勢いを増していた。経営陣は、AIを取り巻く環境の変化について、控えめながらも一貫して語り始めていた。彼らは、議論が単なるAIモデルの「学習(トレーニング)」から、それらを実務で活用する「推論(インファレンス)」へと移行しつつあり、そのワークロードにおいて従来のサーバー向けCPUである「Xeon」が極めて重要な役割を果たすと主張した。



