Starship(スターシップ)はスペースX(SpaceX。ティッカー:SPCX)の投資ストーリーの礎であり、その成否を占う重要な節目が目前に迫っている。もしStarshipがなければ、スペースX株は崩れてしまうのだろうか。
SPCX株は値異国時間6月12日の上場以来、苦戦が続いている。株価は上場直後につけた高値から約30%下落し、7月13日の終値は138ドルと、IPO(新規株式公開)価格の135ドルにじりじりと近づいている(編注:7月15日、IPO価格の135ドルを割り込んだ)。早ければ7月16日(日本時間7月17日午前7時~)にも実施されるStarshipの13回目の試験飛行は、良い方向にせよ悪い方向にせよ、この下落局面の転換点となる可能性がある。
13回目の試験飛行が持つ重要性
スペースXは、Starlinkと打ち上げサービスという2つの収益事業をすでに確立している。とはいえ、投資ストーリーの大部分は、ある重大な経済的課題を克服できるかどうかにかかっている。荷物を軌道まで運ぶコストがいまだに高すぎて、同社が思い描く野心的な新市場の多くには採算面で手が届かないという問題だ。軌道上のAIデータセンター、次世代Starlinkの配備、月面への物流──これらを阻んでいるのは技術ではなく、コスト・経済性なのである。
このジレンマを解くためにスペースXが用意した答えがStarshipだ。機体の規模はFalcon 9(ファルコン9)の6〜8倍にのぼり、1回の飛行で運べる量が大きいぶん、1キログラムあたりのコストを大幅に下げられる。現在、Falcon 9で打ち上げると1キログラムあたり約2720ドル(約44万640円。1ドル=162円換算)かかる。Starshipはこれを100ドル(約1万6200円)未満、つまり27分の1にまで引き下げることを目指している。ただし、この数字が成り立つのは、1機を70回以上繰り返し打ち上げ、なおかつ飛行のたびに行う再整備を最小限に抑えられた場合に限られる。
だが、どちらの条件も、これまで大規模には実証されていない。しかもスペースXは、Starshipの研究開発に約30億ドル(約4860億円)を投じる一方で、2025年には49億ドル(約7938億円)の損失を計上した。13回目の飛行はサブオービタル(地球周回軌道には到達しない弾道飛行)であり、それ自体が収益を生むわけではない。それでも、これほどの頻度で打ち上げを繰り返せるのかどうかを占う重要な試金石となる。



