【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

マーケット

2026.07.16 16:00

IBM、10兆円超の時価総額を消失──原因と回復への見通し

Nikolay N. Antonov - stock.adobe.com

Nikolay N. Antonov - stock.adobe.com

670億ドル(約10.85兆円。1ドル=162円換算)にも及ぶIBMの時価総額の消失は、単なる歴史的な1日の急落ではない。企業がIT予算を振り向ける先が、IBMの想定を上回る速さで変化していることを告げる警鐘だ。

米国時間7月14日、予定していた正式な第2四半期決算の発表を1週間後に控え、IBMは異例の事前発表に踏み切った。そこでは、顧客の支出先が急変し、業績が期待を下回ったことが明らかにされた。

2026年6月、悪化するメモリーチップ不足に企業は素早く反応した。この不足によってメモリー価格は2026年中に最大355%上昇すると予測されており、各社はサーバー、ストレージ、メモリーへの支出を優先した。

そのしわ寄せを受け、ソフトウェアやメインフレームの導入、コンサルティング契約は先送りされた。IBMは顧客の予算配分の変化に十分な速さで対応できなかったと認めている。その結果、「多数の大型案件が当社の想定していた時期に成約せず、業績未達の大半を招いた」と事前発表で説明した。

IBMの第2四半期決算発表は、7月22日午後5時(日本時間7月23日午前6時)に予定されている。ソフトウェア事業の成長率が市場予想を上回るとの見通しを示せば、株価は急速に持ち直す可能性がある。決算内容が投資家の期待を下回れば、株価はさらに下落しかねない。

115年の歴史で最大の下落率を記録

7月14日、IBM株は25.2%安217.07ドルで取引を終え、115年の歴史で最大の下落率を記録した。出来高は6400万株に達し、過去3カ月の平均を551%上回った。1987年のブラックマンデーに記録した23.7%安という、それまでの最悪記録も更新した。

下落の引き金となったのは、IBMが公表した異例の第2四半期決算の事前発表だった。売上高は前年同期比1%増の172億ドル(約2兆7864億円)だったが、市場予想を6億6000万ドル(約1069億2000万円)下回った。非GAAPベースの1株利益は2.93ドルで、こちらも市場予想に0.08ドル届かなかった。

アービンド・クリシュナCEOがこの業績未達の責任を自ら引き受けた点は評価してよい。元CEOルイス・ガースナーが2003年に出版した著書『巨象も踊る』をもじれば、クリシュナがIBMという巨象を本当に踊らせられるかは、まだわからない。

次ページ > IBMはなぜ市場予想を下回ったのか

2026年8月号発売中

最新号の購入はこちらから

2026年8月号発売中

最新号の購入はこちらから

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事