IBMはなぜ市場予想を下回ったのか
IBMが市場予想を下回った理由は明確だ。メインフレームの販売不振によりインフラ部門の売上高が7%減少、ソフトウェア部門は2桁成長の目標に遠く及ばない5%増にとどまった。コンサルティング部門の売上高も横ばいだった。AI向け需要に伴うメモリー不足を受けて顧客が支出先を変えることを、IBMは予想できず、変化が始まってからも十分に対応できなかった。
この動きは何カ月も前からはっきりしていた。AIデータセンター向け需要の拡大を受け、メモリーメーカーはウェハーの生産能力を、より収益性の高いHBM(高帯域幅メモリー)向けへ振り替えていた。その結果、DRAMの価格は2026年第1四半期に100~116%上昇した。
供給の逼迫は少なくとも2027年まで続くとみられる。SKハイニックスは自社のDRAMとNANDの生産能力について、2026年分は「ほぼ完売」したと説明した。インテルのCEOも「2028年まで状況の改善はない」と警告している。
その結果、企業のIT支出がソフトウェアやサービスからハードウェアへとシフトする動きに対し、IBMは不意を突かれた形となった。IBMが他にいかなる手を打つべきだったのか、あるいは、このような失望的な結果の再発をどう防ぐつもりなのかは不透明だ。
IBMが、今示さなければならないこと
投資家の信頼を回復するために、IBMは以下の措置を講じる必要があると筆者は考える。
・明確で、市場予想を上回る業績見通しを提示する:今回の事前発表では、通期の業績見通し(ガイダンス)の提示が先送りされた。ソフトウェア部門の成長率が10%を超えると予測されない限り、投資家は失望することになるだろう。しかし、バンク・オブ・アメリカはその達成は極めて困難であると見ている
・成約時期がずれ込んだ案件が2026年中に成立すると証明する:そのためには、遅延している案件がいつ成約に至るか、IBMは具体的な見通しを示す必要がある
・メインフレームの買い替えサイクルの減速に関わらず、ソフトウェアとRed Hat(レッドハット)が成長できることを示す:企業がIBM製ソフトウェアへの支出を抑える手段として利用できる、低価格のAIコーディングツールを上回る価値を、IBMのソフトウェアが提供する必要がある


