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欧州

2026.07.17 07:00

ウクライナ侵攻に伴う制裁下でもロシアから撤退しない国際企業

Getty Images

他方で、事業停止を表明したものの、完全には実行に移さなかった企業や、依然としてロシアで事業を継続している国際企業も存在する。

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ベルギーのビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)は2022年4月、撤退の意向を表明。投資家に対し、ロシアはもはや同社の戦略の一部ではないと伝え、トルコの飲料大手アナドル・エフェスとのロシアでの合弁事業について11億ユーロ(約2000億円)の減損処理を行った。それ以来、ABIは2度にわたり株式の売却を試みてきた。最初の試みは、保有株式をアナドル・エフェスに単純に売却することだったが、ロシア政府がこの試みを阻止した。そこでABIは、同社がアナドル・エフェスのウクライナ事業を買収する代わりに、アナドル・エフェスがABIのロシア合弁事業における持ち分を受け取るという交換案を提示したが、この取引もロシア政府によって拒否された(アナドル・エフェスによると、国際会計事務所KPMGによる評価額は11億~13億ドル[約1800億~2100億円]とされていた)。

懐疑派は、ABI自体がアナドル・エフェスの株式の24%を保有していることから、いずれの取引も実質的な撤退にはならず、むしろ資産の再編に過ぎないと指摘した。2件目の取引が却下されてから2年近くが経過したが、ABIはロシアからの撤退に向けた新たな動きを一切発表していない。

米政府系「ラジオ自由欧州(RFE)」は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2024年末、ABIのロシア事業の経営権を現地企業に移管する大統領令に署名したと報じた。ABIは引き続き同事業の共同所有者であり、政治情勢の変化に応じて将来的に多額の配当を受け取る権利を保持している。2024年、ABIのロシア事業は売上高を30%伸ばした。この好調な業績が、同社がロシアからの完全撤退に消極的な姿勢を見せている理由の1つかもしれない。

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同社は現在に至るまで、ロシアで事業を継続している外資系企業の中でも最大の納税企業の1つであり続けている。同社のロシアへの納税額と関連支払額は、2025年だけでも10億ユーロ(約1860億円)を超えたと伝えられている。同国の国家予算の大部分はウクライナ侵攻の維持に充てられている。さらに、ABIのロシア事業は6月、ウクライナで戦うロシア軍兵士を支援する政府系基金に5億ルーブル(約10億円)以上を寄付した。

ABIを創業したベルギーとブラジルの一族は、オランダの財団を通じて同社の株式の約3分の1を保有しているが、残りの上場株式については米国の資産運用会社ブラックロックやバンガードが機関投資家として名を連ねている。これらの機関投資家が、ロシアでの継続的な財務リスクについて同社に懸念を表明したのか、あるいは株主としての影響力を活用して透明性の向上や方針の変更を求めたのかは不明だ。

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翻訳・編集=安藤清香

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