今回の作戦ではUSVが、UGVを揚陸させる上陸用舟艇の役割を担った。ウクライナは現状、有人艦艇の海軍戦力をほとんど保有しない一方で、多種多様なUSVからなり、非常に成功している無人艇隊を運用している。軍事アナリストのH・I・サットンはウクライナのUSVを20種類以上カタログ化しているが、まだ確認されていないタイプがほかにも存在する可能性もある。
この上陸は、概念実証を兼ねた作戦であると同時に、実戦において有益な目的も果たしたように見える。抵抗の程度を確認するために兵士による新たな襲撃を行えば、人命が危険にさらされていただろう。消耗可能な機械を使えばそうした危険性がなく、うまくいかなかった場合に機械を回収する必要もない。
UGVは抵抗に遭わなければ、浜辺から内陸へ安全な進路を切り開いていくことができる。もし途中で、偵察ドローンで発見できなかった地雷やブービートラップ(偽装爆弾)で損傷したとしても、大きな損失ではない。また、ロシア軍との銃撃戦になれば、それはそれで好都合だろう。人的損害が出るとしてもそれはロシア軍側であり、交戦になればドローンでロシア兵らを攻撃することも可能だからだ。
こうした強襲上陸作戦は今後、より迅速で洗練され、規模も大きくなっていくと見込まれる。従来のような「成功か失敗か」の一度きりの大規模強襲である必要はなく、偵察や攪乱、あるいは別の上陸作戦から敵の注意をそらす陽動として実施されることも考えられる。その際、UGVなど機械の損失は織り込み済みで作戦が立案されるだろう。
わたしたちが目にしたのは、歴史のごく小さな一コマだったのかもしれない。だがそれは、まずロボットが先陣を切り、敵が無力化されて安全が確保されてから初めて人間が上陸するという、将来の強襲上陸作戦の姿を予告するものだった可能性もある。


