キンブルン半島をめぐってはかねて激しい争奪戦が繰り広げられており、ウクライナ軍はドローン攻撃や急襲上陸作戦をたびたび実施してきた。
2024年8月には、ウクライナの特殊部隊がボートで上陸し、キンブルン要塞を含むロシア軍の要塞化陣地を襲撃した。複数の車両を破壊したあと、ウクライナ国旗を掲げ、その後撤収した。以来、この半島では主としてドローンによる消耗戦が続いているが、6月にはウクライナ側が再び襲撃し、国旗を掲揚している。
ロシア軍はこれまで、この地域に防御部隊のほか、砲兵部隊やドローン部隊、電子戦部隊、各種センサーの運用要員を置いてきた。合計で数百人規模とみられている。米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は6月、ロシア軍がキンブルン砂州から撤退していると伝えたが、実情は不明であり、名目的な部隊が残っている可能性もある。
「敵がこの地域から完全に撤退したと断言するにはまだ時期尚早です」と、ウクライナ海軍の報道官も直近の国旗掲揚作戦後の6月25日、地元メディアのキーウ・インディペンデントに述べている。
見通しのきく射界を備え、海からしか到達できないような要塞化陣地は、軍事上の古典的な難題だ。このような陣地を攻略するには往々にして大きな人的損害を伴う。
1944年、ノルマンディー上陸作戦を控えた連合軍も同じ問題に直面した。連合軍は、敵側がまったく予期していない地点への上陸という奇襲に加え、大規模な航空攻撃と艦砲射撃、多種多様な特殊装備、空挺部隊による同時強襲、史上最大規模の水陸両用部隊の投入を組み合わせた作戦を展開した。それでもなお、連合軍の損害は戦死者約4000人を含む1万人超にのぼり、作戦の成功が確実になるまでにしばらく日数もかかった。
海兵隊員の代わりにロボットを送り込むという選択肢は、こうした状況を大きく変えるものになり得る。
ウクライナの戦闘ロボ
ウクライナはここへきてUGVの生産を拡大している。UGVは車輪または無限軌道を履いて地上を走行する「陸上ドローン」だ。2025年の生産台数は約1万台だったが、政府は2026年には5万台に増やすことを目指している。UGVはウクライナ軍ですでに補給任務や負傷者の後送任務に不可欠な装備になっており、現在は戦闘任務にも使われるようになってきている。


