3つの開催都市の組織委員会関係者がフォーブスに明かしたところによると、FIFAは開催都市への売り込みの一環として、国内と海外から半々の内訳で大規模な観客動員が見込まれると請け負っていた。滞在時間が長く、国内客よりも消費額が多い外国人客は観光地で歓迎される存在だが、米国は外国人旅行者の誘致の点では逆風に見舞われている。
米旅行業協会(USTA)のジェフ・フリーマン会長兼最高経営責任者(CEO)が今年1月に開催されたホテル投資カンファレンス「2026年アメリカズ・ロッジング・インベストメント・サミット」で指摘したように、米国は2025年に「旅行者数が減少した世界で唯一の主要国」だった。
その理由についてジンバリストは「トランプの関税や国際政策に対する強い嫌悪感が広がっていることが原因だ。これは党派的な発言ではない。ただの現実だ」と述べている。
NTTOのデータでは6月の訪米外国人客数に著しい増加が見られないことから、「絶対データのみに基づいて、今大会が海外インバウンド市場に多大な恩恵をもたらしたと結論づけるのは難しい」とコスターでホスピタリティ市場分析を担当するナショナル・ディレクターのヤン・フライタークはフォーブスに語った。
「期待は大きいが、成果は伴わない」パターン
スポーツツーリズム(スポーツ観光)の専門家によると、大規模なスポーツイベントを開催しても、経済的な見返りは得られないことが多いという。その責任の一端は、目玉イベントの開催というアイデアに誘惑されてしまう地元指導者たちにある。
「自治体が地方債を発行することでスタジアム建設に税金を投入するかどうかを市民が決める仕組みは、もはや過去のものとなった」とノースカロライナ州立大のエドワーズは言う。「今では政治家たちが密室で決定を下し、その後で有権者にそれを売り込んでいる。経済効果こそが、その手法となっているのだ」。
予測はトレードオフを考慮に入れていないため、過度に楽観的になりがちだ。「こうしたイベントではスポーツファン、今回の場合はサッカーファンが、イベント開催がなければ訪れなかったであろう場所に集まる。しかしその一方で、W杯に伴う混雑、物価の高騰、治安対策の強化を理由に、多くの一般観光客が足を遠ざけることになる」とジンバリストは説明した。
多種多様なチームカラーで埋め尽くされたスタジアムや街並みはテレビ映えがする。「だが、重要な教訓の1つは、目に見える存在感と経済効果はイコールではないということだ」とエドワーズは述べた。


