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2026.07.24 08:30

「年内に勝負が決まる」テラドローン徳重徹が狙う防衛ドローン世界一

徳重 徹|Terra Drone代表取締役社長

実戦で迎撃実績ができたことは大きな意味をもつ。防衛のゲームチェンジを受けて、現在、世界中の防衛ドローンスタートアップが迎撃ドローン市場に参入しようとしている。徳重によると、勝者になる条件は「コンバットプルーブン(実戦証明)」「価格競争力」「自律航行」「輸出規制クリア」の4つだ。

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「自律航行できて、輸出規制のない国で製造している会社は数社あります。ただ、それらの会社の製品はやや高く、実戦で試す機会も少ない。一方、『Terra A1』は1機40万円台と破格の安さ。今回、そこに迎撃実績が加わった。迎撃ドローン市場を取るうえで大きなアドバンテージです」

一方で課題もある。ウクライナのドローンは操縦が必要で、自律航行の技術は未熟だ。また輸出規制があって、ウクライナ国内で製造した機体は海外に販売することができない。それらがウクライナ勢の弱点であり、テラドローンも例外ではなかった。徳重はこれらの問題をどうクリアしようとしているのか。

「自律航行は技術開発を着々と進めています。輸出規制は、輸出可能な地域のパートナーと組んで、開発した機体をウクライナで試してコンバットプルーブンにすることを視野に入れています。防衛プライム企業が組むのは、4つの条件をいち早く満たした会社。私の見立てでは、グローバルでスタンダードになるのは3~4社です。椅子取りゲームに勝つには、まず1社あるいは1国で認められて信用札を得ないといけない。ここからはスピード勝負です」

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当初、徳重は防衛ドローン事業をひとりで始めた。年明けからは社内から精鋭を集めて“特殊部隊”を組んだ。そのメンバーによくかけている言葉がある。

「競合であるドイツのクォンタムは、『クォンタムの1週間は通常の会社の1年分』と話しているそうです。それに負けていられない。『俺たちの1日は、ほかの会社の1年分』。7倍のスピードで椅子を取りにいきます」

株価3倍への根拠

椅子取りゲームを勝ち取るため、6月15日には大規模な資金調達を発表した。その特殊なスキームからは、徳重の勝算がうかがえる。

テラドローンは、最大145億円の新株予約権を発行する。みずほ証券を割当先とするMSワラント(行使価額修正条項付新株予約権)と徳重本人を割当先とする固定価額の新株予約権を組み合わせたスキームだ。特にMSワラントは、希薄化が生じるため市場から嫌われることが多いが、今回は5段階のハイアップ型で、各ステージで下限行使価格を一般的な水準より高く設定した。最終5ステージの下限行使価格は3万円であり、調達を発表した翌日終値の8750円台から3倍以上に株価を上昇させないと資金調達ができない。自社の企業価値向上によほどの自信がないと選択できない、かなり強気なスキームといえる。

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文=村上 敬 写真=ヤン・ブース ヘアメイク=内藤 歩

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