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経営・戦略

2026.09.07 15:15

M&A活用で『時価総額200億の壁』を突破する企業の共通点 安藤智之の「最強企業の見分け方」vol.2

「200億円の壁」を突破する理想的なステップアップ

多くの上場企業、とりわけグロース市場の経営者と対話をしていて感じるのは、「時価総額200億円」という一つの大きな壁の存在です。

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この壁を突破し、真のストロングバイヤーとして市場から認められるためには、M&Aの「規模」そのものを成長させていく必要があります。

市場がストロングバイヤーに求めているのは、計算上の利益の合算だけではありません。「経営のレベルを一段階上げることができるか」という、変革へのメッセージです。

理想的なM&Aの推移を数値化するなら、こうなります。 最初は10億円の買収。次は15億円、その次は25億円、そして50億円規模の案件へと、段階的にターゲットの規模を大きくしていく。もちろん、これには高度な資金調達力やPMI(買収後の統合プロセス)の習熟が求められますが、この「買収規模のスケールアップ」こそが、投資家に対して「この会社はまだ市場が織り込めていない成長を実現できるポテンシャルがある」という強力なサインになるのです。

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たとえば最近上場したある企業。M&Aに積極的な企業ですが、M&Aの発表後に株価が伸び悩みました。これは、投資家が「その程度のM&Aは想定の範囲内(織り込み済み)」だと判断した結果である可能性が高い。

市場が求めているのは、「今までよりも一回り大きなゲームに挑む姿勢」なのです。

調剤薬局業界の覇者に学ぶ「経営ゲーム」のルール変更

この「買収規模をスケールアップさせていく戦略」の正しさを証明しているのが、かつての調剤薬局業界です。

現在、ストロングバイヤーとして君臨しているアインファーマシーズ、日本調剤、メディカルシステムネットワーク、クオール、総合メディカルといった企業群も、最初から数百億円規模の買収をしていたわけではありません。最初は1店舗、2店舗という地道な買収からスタートしました。

しかし、彼らが卓越していたのは、成長のステージに合わせて「経営のルール」を自ら変えていった点にあります。

当初は小規模な店舗買収で足場を固め、やがて30店舗、50店舗、100店舗を抱えるチェーンを丸ごと飲み込むような大型M&Aへとシフトしていきました。彼らは、規模が大きくなるにつれて求められるマネジメントの難易度を理解し、それに適応し続けることで、市場からの信頼(=高い時価総額)を勝ち取っていったのです。

非上場企業ですが、阪神調剤薬局(I&Hホールディングス)も同様の軌跡を辿りました。彼らはかつて非常に高い目利き力を持ち、「1店舗あたりの単価が高い、質の良い案件でなければ手を出さない」といった独自の規律を持っていました。しかし調剤薬局業界全体の再編が進み、自分たちがこれ以上規模を拡大して「ゲームのルール」を更新し続けることが難しいと判断したとき、彼らは「買い手」から「売り手」へと鮮やかに転じ、スギ薬局(スギホールディングス)への売却を自ら選択しました。

自分たちが解決すべき経営課題のフェーズが変わったことを察知し、より大きな資本の傘下に入る。これもまた、M&Aの本質を理解したストロングバイヤー的な思考と言えるでしょう。

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M&Aの旗手 安藤智之の「最強企業の見分け方」

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