結びにかえて|エネルギーを「経営資源」として考えられるか
産業革命は石炭が支えた。
高度成長期は石油が支えた。
そしてAI時代は、コンピューティング能力が産業競争力を左右する。
そのコンピューティング能力を支えるのは、安価で安定したエネルギーである。衣・食・住が豊かさの基盤だった時代から、コンピューティングとエネルギーが国や企業の競争力を決める時代へと変化している。
日本でも第7次エネルギー基本計画が示すように、政策は現実路線へと動き始めている。しかし、本当に問われているのは政策ではない。企業がエネルギーをコストとして見るのか、それとも競争力を生み出す経営資源として捉えるのかである。
エネルギー・リアリズムとは、理想を捨てることではない。脱炭素、安全保障、コスト、成長を同時に成立させるために、未来の競争力を、現実から設計しなおすことなのである。
今回紹介した記事「Energy Realism」は、Brunswick Review 2026 に掲載されている。また、日本語の記事はBrunswickの東京のページに掲載した。エネルギー転換をめぐる世界の議論がどこへ向かっているのかを考える上で、多くの示唆を与えてくれる一編である。


