現在の株価でLLYへの投資を検討すべきか
投資家が現在買っているのは、バリュエーションの即座の見直しや、利益率の大幅な改善ではない。着実に伸び続ける成長である。つまり、売上高が予測に近いペースで伸び続けることが大前提であり、もし失速すれば、この試算は不利な方向に傾きかねない。
加えて、景気循環の面でも注意しておきたい点がある。現在のLTMの数字は、長期的に安定した水準ではなく、業績のピーク局面で出たものだ。そのため、仮に業績が過去3年の平均水準まで戻れば、ほかの前提が実現する前に、利益の土台そのものが縮んでしまう恐れがある。
新設のリリー・エンプロイヤー・コネクトは、販売数量を増やす具体的な手段にはなる。ただし、価格面の逆風を完全に打ち消せるとは限らない。
結局、イーライリリーに投資すべきか
LLYを別の角度から検討したい場合は、最近の記事「イーライリリー株を待ち受ける大きな分岐点(The Wide Divide Ahead For Eli Lilly Stock)」を参照してほしい。
ただし、どれほど綿密に3年先まで見通したとしても、1つの銘柄に絞った投資である以上、リスクが集中することに変わりはない。過去の相場下落局面で株価が大きく振れたことが、それを物語っている。だからこそ、個別株でこうした分析を組み立てる投資家の多くは、同じ分析の枠組みを、分散したポートフォリオ全体にも当てはめたいと考える。分析の一貫性を保つためでもあるが、どれほど確かに見える個別銘柄への投資根拠でも、試算では想定していなかった要因で崩れることがあるからだ。
この1社に絞らず、ヘルスケアセクター全体に投資したいのであれば、XLVのようなヘルスケアETF(上場投資信託)でカバーできる。さらにセクターの枠を超え、市場全体を対象に質の高い銘柄でポートフォリオを組む——それが、以下に紹介するアプローチだ。
Trefis High Quality(HQ)ポートフォリオは、30銘柄を対象に、精緻な分析と先を見据えた視点を組み合わせた運用手法だ。一貫した基準で銘柄を選び、組み入れ比率の調整とリバランス(資産配分の再調整)を行うことで、値上がり益を狙いながら、先に述べた個別株投資に伴うリスクを抑えることを目指している。
確信度の高い30銘柄を選び抜くこのHQアプローチは、S&P500、S&P中型株指数、ラッセル2000という3つの主要指数を組み合わせたベンチマークを、これまで上回る成績を収めてきた。


