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リーダーシップ

2026.07.15 09:42

差がつくのは「視座」──経験が育てるリーダーシップ

stock.adobe.com

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リーダーはしばしば、明確な判断を下すためにフレームワークやパターン、ケーススタディ、KPIに目を向ける。もちろん、それらも重要だ。だが、CEOとしての私の経験から言えば、鋭い意思決定を支える真の差別化要因は「視座(パースペクティブ)」である。

視座はリーダーにとってのスーパーパワーだ。他者が見落とすパターンを見抜き、状況をより全体的に読み取り、より確信を持って意思決定を下す助けになる。しかも素晴らしいのは、視座は在職年数ではなく経験を通じて育つということだ。

人生とキャリアを通じて、視座を特に鋭くしてくれる瞬間がある。それは判断力を形作り、周囲の人々を強くする洞察の層を積み重ねる。ここでは、私自身が視座を養う優れた教師だと感じた経験をいくつか紹介したい。

新しい任務と経験

ストレッチ・ロール、部門横断的な異動、あるいは不慣れな仕組みへのシフトは、リーダーの認知の幅を広げてくれる。役割が増えるごとに、意思決定を強化する新たなレンズが加わる。

海外で働く身として、ヨーロッパからオーストラリアへ赴任した際、私は馴染みのある文化的環境を想定していた。言語も多くの規範も共通しているからだ。それでも、自分のアイデアやアプローチが空振りに終わることが幾度もあった。「普遍的」だと思っていたものが、実は狭い前提に過ぎなかったのだ。

この経験は、文化的文脈がいかに深く根付いているかを改めて教えてくれた。リーダーは一歩引き、観察し、自らの前提を問い直す姿勢を持つべきだ。その強制的な立ち止まりが、視座に衝撃を与え、周囲との足並みや合意形成を加速させることがある。

子育てとケア

ケア、とりわけ子育ては、視座を鍛える日々のマスタークラスである。まず聴き、それから応じる。単純に聞こえるが、これはリアルタイムの感情的アジリティのトレーニングだ。

3人の子どもたちはそれぞれ違う。ひとりは自分のペースで動き、もうひとりは異なる条件下で力を発揮する。末っ子はまったく別のライフステージにいる。子育ては、コミュニケーションや動機づけの仕方を絶えず変えることを私に求める。ある子には見事に効く方法が、別の子にはまったく通用しない。オートパイロットは選択肢にならない。

子育ても、年老いた家族のケアも、直線的に進むことは稀だ。それらは「みんな同じ」と決めつけないことを教えてくれる。本当にその渦中にいるとき、競合するニーズのバランスを取るには、優先順位をつけ、次の最善手に集中し、違いを尊重しつつ人々をつなぎ、目指す成果を達成するための、より深い共通項を探すことが求められる。そしてその一部は、家庭、地域、あるいはビジネスチームの支援体制を育むことでもある。それが浮き沈みを乗り越える力になる。

変化のマネジメント

「From-To(現状から新たな状態へ)」の変革を主導することほど、視座を鍛える経験は少ないと私は学んだ。この種の変革は、行動、設計、構造を新たな心のあり方へと転換させるあらゆる場面で経験できる。そこでは、変化が具体的なものとなる。目に見え、耳で聞こえ、肌で感じられるのだ。

こうした瞬間は、人がどこで躊躇し、どこで仕組みが崩れ、どこで勢いをつかめるかを浮き彫りにする。視座があれば、リーダーは不確実性を方向性へと変えられる。それが「完璧から進歩へ」、「サイロから協働へ」、「サプライズから選択へ」のシフトであれ、同じだ。

「From-To」の瞬間は、強力な明晰さの構築材料になる。変曲点を見抜き、リアルタイムで軌道修正する訓練を頭に染み込ませ、その規律は仕事にも人生にも引き継がれていく。

人材とチームの育成

キャリアを通じて、私は「ディベートチーム」を編成し、「悪魔の代弁者」を配置してきた。社内外の力によって私の思考に挑戦させ、集団思考を避けるためだ。チームの一人ひとりがどう学び、何に動機づけられるかを理解することは、画一的なリーダーシップを避け、より強いパフォーマンスを引き出す助けになる。私の経験では、これは高いパフォーマンスを発揮するチームを築くうえで不可欠だ。

人口統計的にも、認知的にも、経験的にも多様なチームは、より豊かな議論とより優れた解決策を生み出し得るが、それは偶然には起こらない。多様性を招き入れるには、視野を広げる必要がある。つまり、視座、意見、経験の網をより広く投げかける意図的な努力が求められるのだ。難しいのは、目の前にある便利さに流されないことだ。決して容易な道ではないが、多くの場合、非常に生産的な道である。

視座を武器にするリーダーシップを磨くヒント

未知に踏み出す。新しいスキル、新しい言語、新しいコミュニティ、新しい対話を取り入れることを意味する。

出張をより価値あるものに。たとえば、営業担当者との現場同行に加わったり、顧客訪問に関わったり、自社のビジネスに隣接するカテゴリーから学ぶために小売店の視察ツアーに参加したりすることを検討してみよう。

「アドバイザリー・ディベートチーム」をつくる。異なる考え方と行動を求められる人々でメンバーを構成する。すべての声を歓迎しつつも、リーダーとして、全員に票があるわけではないというバランスを忘れないこと。

「From-To」の瞬間を主導する機会を少なくとも1つ見つける。朗報は、ほぼあらゆるビジネスの局面で「From-To」の瞬間を見出せることだ。ビジネス変革、変化のマネジメント、サステナビリティの取り組み、さらにはマインドセットの転換まで、すべて「From-To」の瞬間の題材となる。

四半期ごとの「視座の棚卸し」を行う。自分のどのスキルが機能し、どのスキルにさらなる注意が必要かを振り返る時間にすべきだ。

視座はソフトスキルではない。競争優位である。視点を広げることで、チームや組織が達成できることの幅も広がっていく。

(forbes.com 原文)

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