【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

起業家

2026.07.15 09:29

あなたの古いノートPCに新たな命を──若き創業者の挑戦

Adobe Stock

Adobe Stock

バリマ・アサレ(Barimah Asare)のキャリアをスタートさせる契機となったノートPCは、やがて彼に、誰もが直面するお馴染みの問題を突きつけることとなった。

そのPCはまだ動いた。ただ、彼がやりたいことすべてをこなすことができなくなっただけだった。

アサレが、性能の良いコンピューターを使えることの価値を初めて認識したのは、まだ学生だった頃だ。ノートPCを持つことで、それまで手の届かなかったプログラムやクリエイティブツール、情報への扉が開かれた。その後、プロダクトデザインを学ぶ学生となった彼は、より高度な処理能力を要求するソフトウェアに次々と直面するようになる。かつてアクセスの象徴だったコンピューターが、今度は制約の象徴になり始めていた。

「またあの壁にぶつかったと気づいた」とアサレは語る。彼のノートPCは壊れているわけでも特に古いわけでもなかったが、学業で必要なソフトウェアを動かすには、より高い演算能力が必要だった。

一般的な解決策は、新しいコンピューターを買い替えることだ。しかし、アサレは別の解決策を探し始めた。

彼が提案する解決策「Project Hivemind(プロジェクト・ハイブマインド)」は、一般にeGPUと呼ばれる、コンパクトな外付けグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)エンクロージャー(ボックス)だ。このデバイスを使用することで、対応するノートPCで交換可能なデスクトップ用グラフィックスカードが利用可能になり、ゲームやグラフィックス、動画制作、一部のデザインアプリケーションなど、より高い負荷のかかる作業を行えるようになる。

狙いは古いコンピューターを新品同様にすることではない。まだ使えるマシンを買い替える前に、ユーザーに別の選択肢を提供することだ。「別の道があるはずだ」と、アサレは当時を振り返る。「大きな妥協なく、本当に実現可能な別の選択肢を人々に提供できれば、それで満足だ」。この目標により、Hivemindは、まだ断片的ではあるものの、家電製品の短いライフサイクルに疑問を投げかける、拡大しつつあるムーブメントの一翼を担うこととなった。

国連の「グローバル電子廃棄物モニター(Global E-waste Monitor)」によると、2022年に世界で発生した電子廃棄物(e-waste)は約6200万トンに上る。そのうち、環境に配慮したシステムを通じて正式に回収・リサイクルされたと記録されているのは、わずか22.3%にとどまる。同報告書は、電子廃棄物の発生スピードが、記録されているリサイクルのスピードの約5倍速いことを明らかにしている。限定的な修理の選択肢、短い製品寿命、そして製品設計上の欠陥が、すべてこの問題の要因となっている。

Project Hivemindが提示するサステナビリティの命題は、比較的シンプルだ。グラフィックス性能は、ノートPCの他の部品が寿命を迎える前に、限界に達してしまうことがある。ユーザーがその機能を外部からアップグレードできれば、新しいマシンの購入を先延ばしにできる可能性がある。

アサレを支援したスワロフスキー財団のプログラム「Creatives for Our Future」によると、HivemindはノートPCの耐用年数を最大3年延ばせる可能性があるという。ただし、これはプロジェクト側の主張であり、第三者によって実証された結果ではない。本当の試金石となるのは、より多くの製品がユーザーの手に渡り、Hivemindがユーザーの机の上にただハードウェアを増やすだけでなく、実際に購入行動を変えることができるかどうかを検証できるようになってからだ。

アサレによれば、プロトタイプはスケッチや初期デザインの段階をすでに終えているという。次の目標は、実際に動作する製品をユーザーに届けてデータを収集し、持続可能な生産プロセスを構築することだ。1年以内に約100台を一般のユーザーに使ってもらいたいと考えている。課題は技術面だけではない。資金面も同様だ。「資金調達は困難を極めている」とアサレは言う。彼は、実際に機能する製品をユーザーの手に渡すことで、投資を呼び込み、生産を拡大するために必要な証拠(エビデンス)を示すことができると信じている。

既存技術に対する新たなアプローチ

外付けグラフィックス・エンクロージャー自体は、すでに存在している。ソネット・テクノロジーズ(Sonnet Technologies)やレイザー(Razer)などの企業が、対応するノートPCでデスクトップ用グラフィックスカードを使用できるシステムを販売している。

ソネットの「Breakaway Box 850 T5」は、Thunderbolt 5搭載コンピューターに加え、一部のThunderbolt 4およびUSB4搭載のWindowsシステムに対応している。レイザーの「Core X V2」も、同様のパフォーマンスを提供する。どちらも、外付けデバイスを介してノートPCのグラフィックス性能を大幅に向上させられることを証明している。つまり、HivemindはeGPUというカテゴリーを新たに創り出すわけではない。そのチャンスは、このカテゴリーを改善することにある。

アサレは、外付けグラフィックス機器が一般的な消費者のアップグレード手段として普及するのを阻んできた「妥協」の解決に取り組んでいる。従来のエンクロージャーは、大型で高価、かつ複雑になりがちだ。購入者は別途グラフィックスカードを選び、適切な電源ユニットを購入し、自分のノートPCやOS、ドライバーがその構成をサポートしているかどうかを確認する必要がある。

Hivemindの成否は、その体験をより小型で、わかりやすく、経済的に合理的なものにできるかどうかにかかっている。同時に、「サステナブル(持続可能)」の定義にも左右されるだろう。

外付けGPU(eGPU)には、資材、製造工程、電力が必要であり、最終的にはそれ自体の廃棄計画も必要となる。グラフィックスカードを頻繁に買い替えるユーザーは、元のノートPCを使い続けたとしても、結果としてさらなる廃棄物を生み出す可能性がある。したがって、環境へのメリットは、使用され続けるコンピューターの数だけで測ることはできない。重要な問いは、システム全体として、それが新たに生み出す生産と廃棄の量よりも、回避できる生産と廃棄の量の方が多いかどうかだ。

修理か、再製造か、それともアップグレードか?

他社もまた、異なる解決策を試みている。

フレームワーク・コンピューター(Framework Computer)は、ユーザー自身が内部を修理・アップグレードできるノートPCを設計している。所有者はデバイス全体を廃棄するのではなく、部品を交換することができる。「Framework Laptop 16」はグラフィックスのアップグレードにも対応しており、「Laptop 13」の次世代モデル向けにリリースされたコンポーネントは、初代モデルとの互換性を維持している。

Frameworkは、アサレの主張を構造レベルで具現化した存在だ。従来のノートPCに後からアップグレード機能を追加するのではなく、コンピューターそのものにアップグレード機能を組み込んでいるのだ。

サーキュラー・コンピューティング(Circular Computing)は、また別の道を歩んでいる。同社は、標準化された工業プロセスを通じて、企業向けの中古ノートPCを「再製造(リマニュファクチャリング)」している。英国規格協会(BSI)は、同社のプロセスが、新品と同等の性能と保証を備えたコンピューターを製造できるものであると認定している。

このアプローチは、特に大量のPCを管理する企業、学校、政府機関にとって極めて有効かもしれない。組織にとっては、個々のマシンに外付けグラフィックスハードウェアを装備させるよりも、コンピューターを再製造して再配備する方が、環境面でも財務面でも、より予測しやすい結果を得られる可能性がある。

フェアフォン(Fairphone)も重要な教訓を示している。この欧州の電子機器メーカーは、交換可能な部品、修理のしやすさ、そして長期のソフトウェアサポートを軸にスマートフォンやオーディオ製品を設計している。同社のモデルは、物理的な耐久性だけで製品の寿命が決まるわけではないという事実を認識している。デバイスが物理的に壊れていなくても、ソフトウェアのアップデートやセキュリティサポート、あるいは交換部品の提供が終了してしまえば、使い続けることは困難になる。

Hivemindも同じ現実に直面している。ノートPCのグラフィックス性能をアップグレードしたところで、劣化するバッテリーが直るわけでも、不足しているメモリが増えるわけでも、OSのサポート継続が保証されるわけでもない。これが最も役立つのは、グラフィックス性能だけが、使い続ける上での最大の障壁となっているコンピューターに対してだろう。

選択肢を主張するデザイン

アサレは、Hivemindが電子廃棄物に対する唯一の解決策だとは主張していない。彼はそれを、「選択肢のための主張」として位置づけている。

デスクトップコンピューターの所有者は長年、システム全体を買い替えることなく、グラフィックスカードやメモリ、ストレージを交換することができた。しかし、ノートPCのユーザーに同様の柔軟性が与えられることは稀だ。現代のマシンは薄型化と統合(インテグレーション)が進んでいるが、その統合こそが、実質的なアップグレードを困難、あるいは不可能にしている。

アサレにとって、この問題は環境問題であると同時に、自己決定権(エージェンシー)の問題でもある。

「人々はただ新しいデバイスが欲しいから買うのではない」と彼は言う。「実際には、そのデバイスを使って何かをしたいから買うのだ」

彼のデザインプロセスもまた、将来のユーザーに大きく依存してきた。アサレは初期のプロトタイプをオンライン(Redditのコミュニティなど)に投稿し、寄せられたフィードバックを製品の改良に役立てた。彼はこのプロセスを、デザイナーと問題に直面している人々との間の継続的な対話であると説明する。「本当に共生関係のようなものだった」と彼は語る。「最終的には、常にコミュニティに還元されるのだ」

Hivemindが魅力的なコンセプトから検証可能な製品へと移行するにあたり、このアプローチは重要になる可能性がある。そのシステムが、通常のテクノロジー・ライフサイクルに組み込めるほど十分にポータブルで、手頃な価格で、シンプルであるかどうかを判断するのはユーザーだ。そして、それが実際に製品の買い替えを先延ばしにできるかどうかも、彼らが判断することになる。

Project Hivemindだけで世界の電子廃棄物問題を解決することはできない。単一のエンクロージャーも、修理可能なノートPCも、再製造プログラムも、単体では解決には至らない。電子機器が廃棄物となるのは、設計上の決定、ソフトウェアのポリシー、消費者のインセンティブ、修理の制限、そして不十分な回収インフラなど、システム全体の歪みの結果だ。製品デザインは、使い続けることを容易にすることも、困難にすることもある。

アサレは、信頼できる方法さえあれば、多くの消費者はコンピューターをもっと長く使い続けるはずだと信じている。Hivemindの次のフェーズでは、外付けグラフィックス・エンクロージャーがその選択肢となり得るか、そしてより高い処理能力を提供するために作られた製品が、結果としてコンピューターの消費(買い替え)を抑えることにつながるかどうかを検証することになる。

forbes.com 原文

2026年8月号発売中

最新号の購入はこちらから

2026年8月号発売中

最新号の購入はこちらから

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事