サンフランシスコを拠点とする決済スタートアップのAlsaは、AIエージェントが大規模に自律的な取引を行えるようにする技術を開発しており、アリババとTribe Capitalが主導する新たなシードラウンドで、投資家から650万ドル(約10億5000万円)の資金を調達したと発表した。
起業家たちが現在人間が行っている業務をAIエージェントに代替させることを模索するなか、同スタートアップは、マイクロビジネスやリーンなスタートアップをターゲットにしたソリューションによって、AIエージェントの機能における隙間を埋めようとしている。
Alsaは、独自のAPIキーを中心に構築された統合トランザクション・レイヤーを開発した。これにより、AIエージェントや開発者は単一のプログラム可能なインターフェースを介して、デジタルリソースの探索、アクセス、決済を行うことができると、共同創業者のジョーダン・リウ氏は説明する。このシステムは従量課金制を採用しており、ユーザーの支出管理を強制する「メーター」として機能し、法定通貨またはステーブルコインでの決済を行う。
大半のデジタルプラットフォームは、アカウント作成、サブスクリプション登録、契約締結、決済といったタスクを人間が実行するように設計されているとリウ氏は指摘する。自律型エージェントはこうした経路を円滑に進むことができず、大規模な活用の障害になっているという。
「私たちはエージェントのためのAmazonを作っている」とリウ氏は語る。「Amazon自体は人間にとっての『エブリシング・ストア(万物商店)』だ。人間は服やスニーカー、チケットを消費する。エージェントが消費するのはデータ、API、そしてソフトウェアだ」
リウ氏によると、AlsaはTribe Capitalやアリババのほかに、Draper Associates、住友商事、Saison Capitalなどの投資家からも資金を調達している。リウ氏は以前、東南アジアの銀行口座を持たない顧客向けのPayPalのようなデジタルウォレットや、ブロックチェーンウォレットを創業した経歴を持つ。
10人のチームを擁するAlsaは、今回の新たな資金調達を利用してリソースマーケットプレイスを拡大し、予算、承認ワークフロー、監査証跡に対する企業向けの管理機能を拡張する計画だとリウ氏は述べた。また、自律型エージェントがインターネット規模で安全に取引を行うために必要なインフラの拡張も目指している。
「AIエージェントがインターネットトラフィックをますます支配するようになるにつれ、インターネットを支える金融インフラ(サブスクリプション、API、広告の収益化など)は、これらの新たな参加者に適合するように適応しなければならないと考えている」と、Tribe Capitalの投資家であるフランシス・ザン氏は電子メールの声明で述べた。「ジョーダンのビジョンと、国内および海外の双方の市場で実行する卓越した能力が、私たちがAlsaに賭ける確信を与えてくれた」
リウ氏によると、Alsaは個人企業や小規模なチームの開発作業を軽減するように設計されている。「大企業には、統合、アカウント開設、API認証情報の管理をDevOpsチームに任せるだけのリソースがすべてある。社内で対応できる」と彼は言う。「しかし、1人企業や小規模チームにとって、異なるAPIを持つ複数のベンダーにまたがる調達プロセス全体を管理するのは本当に大変だ。私たちは、1人企業や個人にサービスを提供するためにこれを構築している」
1人企業は、人事、財務、マーケティングといった特定の業務で「AI従業員」への依存を強めている。将来的にトークンのコストが下がれば、より多くのマイクロビジネスやごく小規模な企業がこの業務遂行方法を採用する可能性が高く、決済のような作業を扱うより簡単な方法が必要になるとリウ氏は考えている。「だからこそ私たちは、このリソースレイヤーを実現し、彼らの調達レイヤーと決済プロセスをより効率的にしたいのだ」と彼は述べる。
リウ氏は、多くの主要な決済ネットワークが、そのユーザーが利用するコマースプラットフォームと連携して成長してきたと指摘した。例えば、PayPalはeBayの成長とともに急速に普及し、Stripeはインターネットコマースが新たな決済選択肢を必要としたことで人気を博した。
Alsaは2025年に創業され、2026年上半期に利用が大幅に増加した。リウ氏によると、Open Clawのエコシステムが成長し、最終的にOpenAIに買収されたことが背景にある。2026年2月から6月にかけて、プラットフォーム上の登録エージェントユーザー数、ネットワーク経由で処理されたAPIコールと取引の総数は劇的に増加したという。同社は有料マーケティングなしで、2万以上の登録エージェントを受け入れたと彼は述べた。



