クリシュナが投資家に送った書簡の詳細は以下の通りだ。
「今年4月に皆様に見通しを説明した際、第2四半期中に新型メインフレーム『z17』の立ち上げ需要が一巡するとお伝えしました。このシステムは当社史上最高のスタートを切ったため、立ち上げが一巡した今四半期以降も、インフラ部門の年間売上高は1桁台前半の微減にとどまると予想していました。
しかし、実際の着地は想定をはるかに下回りました。原因は、トランザクション処理を中心とするZシリーズ本体と、それに付随するソフトウェアの販売不振にあります。6月末、今後の値上げを見越した顧客企業が、供給が逼迫しているサーバーやストレージ、メモリなどのインフラ機器を今のうちに確保しようと、設備投資予算をハードウェア購入に一気に振り向けました。この動きが、当社の想定を超えて顧客の購入パターンを変化させたのです。供給網に関連する影響はある程度予測していたものの、これほど大規模なシフトが起きるとは想定できていませんでした。加えて、今四半期中に業界全体で持ち上がったサイバーセキュリティ上の課題に対する対応に、顧客の意識が削がれていたことも響きました。
こうした局面を乗り切るには完璧な実行力が必要でしたが、当社の動きは緩慢なものでした。変化に適応して素早く動くことができず、複数の大型商談が想定通りの期日にまとまらなかったのです。これが計画未達の最大の要因です。
これらは言い訳ではなく、厳しい現実です。外部環境がどう変化しようとも、顧客を不確実性から守り、ビジネスが成長するための道筋を一緒に見つけ出すことこそが、我々の果たすべき役割です。
しかし、第2四半期の結果は不本意なものとなった一方で、多くの主要分野では力強い成長が続いており、当社の製品群と基本戦略の正しさについては確信を持っています」
IBMは7月22日に第2四半期決算を正式に発表する。ファクトセットがまとめた市場予想では、売上高が172億ドル(約2兆7900億円)、EPS(1株あたりの純利益)が2.93ドルになると見込まれている。これは、それぞれの数字が前年同期比で1.3%、3.5%という極めて緩やかな伸びにとどまると予想されていることを意味する。
ここ数カ月の間、AIインフラの構築ラッシュがIBMの既存事業を大きく揺るがしている。今年2月には、アンソロピックが古い業務システム向け言語であるCOBOLの改修作業を大幅に効率化できるAIツールを発表した。これを受け、同システムの開発・稼働を長年主導してきたIBMの株価は2000年以来で最悪の急落を記録した。しかし、これはIBMだけの問題ではない。次々と登場するAIツールがIT企業のレガシーサービスを代替・自動化していくとの危機感から、現在は世界中のソフトウェア関連株が軒並み下落する展開となっている。


