企業の「デジタルワークプレイス(デジタル上の職場)」は、単に文書を保管したり会社のニュースを共有したりするだけの場所ではなくなった。適切に設計すれば、コミュニケーションを強化し、企業カルチャーを強固にし、従業員がどこで働いていようとも、つながりを保ち、情報を得て、高いエンゲージメントを維持できるよう支援することができる。
課題は、従業員が「実際に使いたい」と思えるプラットフォームを構築することだ。ここでは、Forbes Human Resources Council(フォーブス人事評議会)のメンバーが、エンゲージメントをより高めるデジタルワークプレイスを構築する際に、企業が重視すべき優先事項について解説する。
1. コンテンツを常に最新に保ち、見つけやすくする
社内イントラネットやデジタルワークプレイス環境を設計する際、最も重要な考慮事項は長期的な維持管理性である。コンテンツが固定されたまま、あるいは古いままだと、従業員はすぐに離れていってしまう。そのため、導入効果と価値を維持するためには、継続的なガバナンスとコンテンツ管理が不可欠となる。プラットフォームは直感的で魅力的、かつナビゲートしやすいように構成し、従業員が必要な情報やリソースに素早くたどり着けるようにすべきだ。 - シェリー・サスキ(Sherrie Suski)、Tricon
2. 目的を持ったコミュニケーションを行う
あらゆるコミュニケーションは、明確な目的から始めなければならない。それがパーソナライズ、周知、あるいは情報提供のためのヘルプデスクであれ、個々の従業員に関連性のあるものであるべきだ。そして、それを会社のパーパス、ビジョン、ミッションへと結びつける。この一貫したつながりこそが、パーソナライズを意味あるものにし、組織全体にカルチャーを浸透させる。可能であれば、双方向のコミュニケーションにすることで、エンゲージメントと影響力を高めるとよい。 - シーナ・ミンハス(Sheena Minhas)、ST Microelectronics
3. すべてを1つの場所に集約する
現代のイントラネットやデジタルワークプレイスのプラットフォームは、企業が提供するあらゆる福利厚生と統合されているべきだ。案内用の掲示板のようになるのではなく、従業員がすべての福利厚生を一つの場所で探せるようにしなければならない。さらに、プラットフォームは組織の文化的価値観だけでなく、個人の選択肢にも合致している必要がある。 - ソウラブ・デオラ(Sourabh Deorah)、AdvantageClub.ai
Forbes Human Resources Councilは、あらゆる業界の人事エグゼクティブを対象とした招待制の組織である。加入資格の確認はこちらから
4. すべての従業員を考慮して設計する
現代のデジタルワークプレイスを設計する際、企業はPCを使って仕事をしない、デスクレスワーカー(デスクを持たない労働者)や現場(フロントライン)の従業員の包摂を最優先しなければならない。全従業員の大部分がデジタル的に孤立したままでは、真のカルチャーやエンゲージメントが育つことはない。プラットフォームはモバイルファーストで構築し、一人ひとりの従業員がコミュニケーションやコミュニティに等しくアクセスできるようにする必要がある。 - シェリー・マーティン(Sherry Martin)
5. 従業員エクスペリエンスをパーソナライズする
共有されたカルチャーを保ちながら、役割、勤務地、関心に応じた関連コンテンツを届ける、大規模なパーソナライズに注力すべきだ。画一的なイントラネットは、つながりではなくノイズを生む。従業員には、自分にとって重要なものが浮かび上がってくるキュレーションされた体験と、組織全体への帰属意識を育む発見機能のバランスが必要だ。 - ジョナサン・ウェストーバー(Jonathan Westover)、Human Capital Innovations
6. 適切なコミュニケーションを通じて信頼を築く
最も重要な機能は、テクノロジーではない。それは信頼である。情報がタイムリーで透明性が高く、自分に関連性があるものだと従業員が信じられなければ、どんなに洗練されたプラットフォームであっても、利用されなくなる。優れたデジタルワークプレイスは、状況を明確にし、ノイズを減らし、従業員が「何が起きているのか」「なぜそれが重要なのか」「自分はそこにどう関わっているのか」を理解できるように支援する。 - ニコール・ケーブル(Nicole Cable)、C3 Health
7. 参加を容易にする
「それを使わないこと」よりも「使うこと」のほうが楽だと感じられるほどに、摩擦(心理的・操作的なハードル)を減らすことだ。ほとんどのイントラネット導入プロジェクトが失敗するのは、プラットフォームが間違っているからではなく、従業員が使ってくれるだろうという前提に基づいているからである。わざわざ努力しなければ使えないのであれば、人々は使わない。カルチャーはポータルの中に存在するのではない。それは、人々が自ら参加しようとする瞬間に存在するものであり、プラットフォームはそれを容易にするか、あるいは妨げるかのどちらかでしかない。 - リトゥ・モハンカ(Ritu Mohanka)、VONQ
8. 双方向のコミュニケーションを生み出す
ガバナンスが機能した、双方向の可視性を優先することだ。現代のイントラネットは、静的なコンテンツのハブであってはならない。戦略、決定事項、機会、そして従業員の声が可視化され、信頼され、実行に移せるような、つながりを生むインフラであるべきだ。コミュニケーションが透明になり、フィードバックのループが完結し、リーダーがエンゲージメントに対して責任を持つことで、企業カルチャーは強固になる。 - ブリットン・ブロック(Britton Bloch)、Navy Federal
9. テクノロジーに人と人とのつながりをサポートさせる
現代のイントラネットは、人間の判断や人間関係を構築する業務が、利用者にとって最大の価値を生み出す場面を中心に設計されるべきだ。あまりにも多くのプラットフォームが情報を伝達するだけで、従業員が明確さ、信頼、あるいはつながりを必要とする瞬間を見落としている。ワークフローを再設計し、コミュニケーション、カルチャー、エンゲージメントを強化しよう。これにより、アクセス、伝達、リマインダー、そしてスケールメリットはテクノロジーに任せ、人間はガイダンス、ケア、判断、そしてカルチャーを形成する対話に専念できるようになる。 - ティモシー・J・ジャルディーノ博士(Dr. Timothy J. Giardino)、myWorkforceAgents.ai



