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アジア

2026.07.15 16:15

「スターバックスに行こうぜ」高校球児の掛け声が炙り出した韓国社会の深い傷

pinglabel - stock.adobe.com

今回の事件が炙り出した4つの問題

この事件が単なる「未成年者の軽率な行為」として処理されなかったのは、それが社会の複数の問題を一度に照らし出したからだ。
 
第一に、歴史認識の問題だ。「5・18」は韓国の民主主義の礎であり、毎年5月18日には国家的な追悼行事が行われる。それにもかかわらず、首都の名門高校の野球部員たちがこれを嘲笑の道具として使えるほど歴史教育が形骸化しているのではないか、という問いが浮かび上がった。
 
第二に、指導者の責任問題だ。選手たちが一線を越えたヤジを送っている間、現場で最初に制止し教育すべき立場にいたのは指導者のはずだった。しかし培材高校の指導者たちはそれをしなかった。相手チームの指導者が抗議して初めて事の重大さを認識したとすれば、指導者と審判双方の責任を問う声が上がるのは当然だ。

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第三に、企業と社会の歴史的感受性の問題だ。今回のケースでは、スターバックス・コリアの人間が現場担当者から代表取締役まで、誰一人として5・18民主化運動を思い浮かべた人間がいなかったことが判明した。

組織のなかで歴史的感受性がいかに失われているかを示す事例として、企業ガバナンスの観点からも深刻な問題提起となった。

そして培材高校の野球部内では同様の掛け声が繰り返し使われてきた疑いがある。2つの事件が連鎖するように起きたことで、「世代と組織を超えた歴史的無感覚」という問題が浮き彫りになった。
 
第四に、SNSとペナルティの問題だ。騒動後、ネット上では培材高校の選手名簿がすぐに流出し、個人への特定と攻撃が広がった。未成年の学生に対する「私刑」的な行為には、スポーツ界からも「選手たちは未成年だ。いかに罰し、いかに教育するのが最も効果的で、再発を確実に防げるのか、いまから真剣に考えるべきだ」という声が上がった。

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今回の事件を契機に、学生選手への処罰を超えて、大人たちの責任を問う声が高まっている。学校と指導者、保護者、協会が差別・蔑視表現を防ぐための教育と具体的な行動基準を整備しなければ、同様の騒動はまた繰り返されるとの指摘が出されている。

野球界の関係者からは「選手が反省できるよう、大人がしっかり叱り、厳しく教えるべきなのに、世論の鎮静化を図るための懲戒処分だけを下して、真摯な教育は後回しになっているのではないか」と嘆く声も聞かれた。

野球部の活動停止という大きな代償を払いながら、再発を防ぐ教育の仕組みが本当に機能するのかどうか。それを問い続けることこそが、いまの韓国社会には求められている「スターバックスに行こうぜ」と「タンクデー」という2つの言葉が炙り出したのは、制度の問題であり、教育の問題であり、そして記憶の問題でもある。

文=アン・ヨンヒ

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