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2026.07.17 09:15

たった10分のスローランニングで脳が活性化する筑波大学の研究結果

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ランニングをすると脳によい刺激が与えられ、認知機能などが向上することは前から知られていたが、もっとうんと楽なスローランニングでも同様の効果が得られることがわかった。たった10分間の歩く程度のスローランニングで、高次認知機能が高まり、気分がよくなるということだ。

筑波大学サイバニクス研究センター、筑波大学体育系/ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センター、ランシット大学理学療法・スポーツ医学部による研究グループは、これまでに、ややきついと感じる中強度のランニングが快適気分と実行機能(目標の達成に向けて思考や行動を調整する高次の認知機能)を高めることを実証しているが、本気のランニングはきつい。きついと続かない。そこで、強度の運動が難しい低体力の人や高齢者でも行える低強度のランニングでも同様の効果が得られるかを検証した。

すると、10分間のスローランニングをした場合、10分間安静にしていた場合とくらべて実行機能が有意に向上し、気分も、覚醒度と快適度の両方が有意に向上することがわかった。実行機能に関連する左前頭前野の特定領域(左背外側前頭前野および左前頭極)の活性化が認められたのだ。また、ランニング中は頭が上下に動くが、そのときの頭部加速度が大きいほど、快適度の上昇も大きいことがわかった。

実行機能の評価にはストループテストが用いられた。文字で示される色の名前と、同時に示される色が一致するかをできるだけ早く判断するというもの。気分の評価には、二次元気分尺度(TDMS)というアンケートが用いられた。
実行機能の評価にはストループテストが用いられた。文字で示される色の名前と、同時に示される色が一致するかをできるだけ早く判断するというもの。気分の評価には、二次元気分尺度(TDMS)というアンケートが用いられた。

ここで言うスローランニングとは、各人の最高酸素摂取量の35パーセントに相当する運動強度で走ることだ。時速にして3〜6キロメートル程度。体にほとんど負担がかからない、非常に楽な運動量となる。

スローランニング後は、ストループテストの判断時間が有意に短くなった。
スローランニング後は、ストループテストの判断時間が有意に短くなった。

実験は、平均年齢22歳の健常な男女24人に参加してもらい、実行機能の測定、気分の評価、10分間のスローランニング、気分の評価、5分間の安静、実行機能の測定という流れで行われた。また別日に、ランニングのかわりに10分間安静にしている条件で同じ実験を行い、結果を比較した。

TDMSの覚醒度、快適度ともに、スローランニング後は有意に向上した。また、頭の加速度がそれに寄与していた。
TDMSの覚醒度、快適度ともに、スローランニング後は有意に向上した。また、頭の加速度がそれに寄与していた。

研究グループはこの研究成果を「脳活動を心地よい方向へ変化させる運動戦略としてのスローランニングの有用性を示すもの」だとしている。体力や健康状態にかかわらず、「安全かつ手軽に心身と脳機能を活性化するための科学的基盤」になることが期待されるということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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