ベラルーシでの民族迫害から逃れたユダヤ人難民から、看護教育グループのCEOに至るまでの私の道のりは、決して平坦なものではなかった。これまでの歩みは、困難、自己発見、そして目的のあくなき追求によって形作られてきた。その過程で、最も不変的なビジネス原則のいくつかは、教科書ではなく、人間性の中に根ざしていることを学んだ。
ここに、私のリーダーシップの指針となり、他のリーダーがレジリエンス(逆境に負けない強さ)を備えたミッション駆動型の組織を構築する上で役立つと信じる5つの教訓を紹介する。
1. レジリエンスを競争優位性と捉える
1990年代初頭に家族と共に米国へ渡ってきたとき、私たちには何もなかった。私はニューヨーク・クイーンズのショッピングモール前で紫色の恐竜「バーニー」の着ぐるみを着る仕事など、家計を支えるためにさまざまな雑用をこなした。同時に、自分を拒絶することの多い世界の中でゲイとしてのアイデンティティを受け入れることにも苦しんでいた。やがて名門MBAプログラムに出願した際も、2度の不合格を経て3度目でようやく合格した。
しかし、その粘り強さと学びが、私の組織の基盤となった。ビジネスは人生と同じく、挫折と再起の連続である。
挫折に直面しているリーダー諸氏に、私からアドバイスがある。もし自分の目的に対して心から確信が持てるなら、前進し続けることだ。個人としての道も、組織としての道も、レジリエンスによって切り拓かれる。目の前にある障壁を、意図的かつ容赦なく削り取っていけば、必然的により明るい未来が訪れると信じている。
自社を強化するためには、戦略の弱点を徹底的に検証する時間を設けることで、課題が深刻な挫折に発展する前に予測することに注力するとよい。全く異なる分野のビジネスリーダーにアイデアをぶつけ、フィードバックを求めるのも有効だ。そして、私が一貫して伝えているアドバイスは、「ひたすら試行錯誤(イテレーション)を繰り返す覚悟を持つこと」である。
2. 人間らしくいられる組織を築く
組織において、「心理的安全性」は単なる流行語ではない。それはイノベーションの基盤である。失敗すること、学ぶこと、そして自分らしさを保ったまま働くことが安全だと感じられるとき、人々は自分でも気づかなかった潜在能力を開花させ、個人の影響力を広げることができる。
私は自らの組織を、メンバー(従業員)や学習者(学生)がプロフェッショナルとしてだけでなく、一人の人間としても成長できるよう奨励・支援する「意図的発達型」の場として設立した。私たちのカルチャーは、グロースマインドセット、責任、そして透明性を通じた自己規律に基づく行動規範によって支えられている。私たちは皆、より良い人間になることを選択し、職場や社会において、思いやりや優しさ、勇気、そして寛容さを持って向き合うよう求められている。
このような心理的安全性を育む上で、私が有効だと感じている方法を2つ挙げる。
1. 自身のミスを公に認め、何がうまくいかなかったかを明らかにし、そこから得られた学びを強調する。
2. 指示を出すのではなく質問を投げかける。好奇心を持って接することは、他者の視点に常に価値があるというメッセージになる。
3. 排除を生むシステムを変革するために、まず自身を変革する
看護分野のリーダーとして、私は従来の教育上の障壁が、いかにして優秀な人材の業界への参入を阻んでいるかを目の当たりにしてきた。2025年には、要件を満たした約9万3000件の出願が看護プログラムで不合格となり、平均して看護学生の20%〜25%が卒業前に中退している。学術誌『Journal of Professional Nursing』に掲載された報告書によると、特定のプログラム基準や構造的な障壁が、マイノリティの学生に不当に強い影響を与え、学業成績の妨げになっているという。
この事実は、教育へのアクセスを改善するという私たちの組織目標の策定に役立った。また、真のイノベーションとは現状に対して恐れずに挑むことであるという私の信念を裏付けている。しかし、意味のある構造改革は、まずリーダー自身から始まる。企業を完全に刷新する前に、リーダー自身が自らを破壊(変革)しなければならない。破綻したシステムを再構築するには、自らも生まれ変わる覚悟を持ったリーダーが必要なのだ。
過去に執着することなくそこから学び、徹底的な透明性を実践し、自己保身に走ることなく責任を果たすことだ。自分自身が経験する覚悟のない変革を、他人に主導することはできない。
4. 利益とパーパスを一致させる
医療に対する私の情熱は、幼少期に母の看病を手伝った経験から始まった。その経験は、健康こそが人間としての豊かな生活の基盤であることを教えてくれ、組織のミッションを形成する上でも役立った。
単に利益を追い求めるだけでなく、現実の課題を解決し、真の影響を与えることを目指す企業は、競合他社を凌駕する可能性がある。パーパス(存在意義)を企業の道標(ノーススター)として位置づければ、利益は望ましい副産物のように自然とついてくるものと信じている。
5. リーダーであっても学びを止めない
MBAでの学びは、私の人生の軌道を大きく変えた。キャリアカウンセラーの「教育分野での仕事を考えたことはありますか?」という何気ない一言をきっかけに、私は臨床看護サービスから学校の設立へと舵を切った。ビジネススクールで叩き込まれた「生涯一学生」のマインドセットを、私は今でも大切にしている。それは、疑問を持ち、実践を繰り返し、アドバイスを素直に受け入れる姿勢である。
優れたリーダーは、常に好奇心を持ち続けている。自分の前提に疑問を投げかけてくれる人々で周囲を固め、あえて居心地の悪い状況に身を置くことだ。その一歩として、違和感を言葉にしてみることもあれば、会話やブレインストーミング、あるいは瞑想の中でその違和感を常に意識しておくこともある。率直な360度フィードバックを提供してくれるコーチやメンターを求めることも、成長への道筋を明確にするのに役立つだろう。
おわりに:リーダーシップは自己受容から始まる
長年、私は恐れ、恥、そして疑念を抱えて生きてきた。しかし今では、シンプルな信念を持ってリーダーシップを発揮している。私たちが欠点も含めて自らの人間性を受け入れるとき、他者も同様に自己を受容する余地が生まれ、そこから成長していくことができる。それこそが、ビジネスが真に繁栄する方法である。



