AI需要の拡大が、IT業界だけでなく建設業界にも大きな影響を及ぼしている。データセンターの建設需要が世界的に高まる一方で、それを支える熟練人材の不足も深刻化しているようだ。グローバル・プログラムマネジメント企業のターナー&タウンゼントは、AIインフラの成長が日本をはじめとする世界の建設市場に与える影響についてまとめた『グローバル建設市場インテリジェンスレポート』を公表した。
【調査概要】
調査期間:2026年3月2日~3月20日
調査対象:44カ国112市場
調査内容:世界の建設市場における建設需要、建設コスト、人材不足などを分析
データセンター需要が世界で首位
世界で最も建設需要が高い分野は、AIの成長を背景としたデータセンターだった。AIサービスを支えるデータセンターでは、大量のサーバーを設置するための建物に加え、電力設備や冷却設備など大規模なインフラが必要となることから、建設需要が高まっているのだ。
また、建設需要の2位は産業・物流分野だった。その背景には、工場や物流施設でロボットやAIを活用するための設備投資が進み、それに対応した新たな工場や物流施設の建設需要の高まりがある。
他にも、生産拠点を市場に近い国へ移す「ニアショアリング」(輸送時間の短縮や国際情勢のリスク軽減、サプライチェーンの安定化を目的とした動き)も進み、これもまた新たな工場建設を後押ししている。
さらにはインターネット通販の拡大に伴い、物流量の増加に対応する倉庫や配送センターなどの建設も進んでおり、物流施設への投資が建設需要を押し上げている。

世界で最も需要が高いセクターのグローバルランキング
アジアで施工能力がひっ迫
アジアではデータセンターへの投資拡大に加え、先端製造業や物流分野の成長を背景に、建設市場が新たな成長局面を迎えている。調査対象となったアジア29市場のうち16市場が、建設市場について「活況」または「過熱気味」と回答した。
一方、データセンター分野では建設会社が工事を引き受けられる余力が不足し始めている。アジア市場の約70%が「施工能力がひっ迫している、または深刻な制約がある」と回答した。



