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経営・戦略

2026.07.16 10:15

医療機関の倒産が過去最多へ 診療報酬に縛られる医師の限界

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帝国データバンクは、2026年上半期の医療機関の倒産件数が39件と過去最多となったと発表した。このままいけば、年間の倒産件数が過去最多だった昨年の66件を上回る恐れがある。特徴としては、負債総額が123億8000万円と昨年同期比で32.6パーセント減となったことだ。これは、小規模倒産の割合が多い、つまり小規模な診療所の倒産が多いことを示している。

倒産した医療機関には、病院4件、診療所19件、歯科医院16件が含まれる。診療所とは、入院設備がないか、19床以下の入院設備のある医療機関のこと。倒産した19件の内訳は、9件が内科、4件が外科、3件が眼科、2件が婦人科となっている。

倒産件数の推移
倒産件数の推移

倒産の原因は、コロナ禍での業績悪化の影響、物価高、人手不足、人件費の高騰などさまざまだが、内科には老人福祉施設やデイサービスを運営する事業者があり、そちらの経営不振が影響したケースもあった。また、経営者の病気や死亡によって事業継続が困難になった診療所も3.8パーセント含まれている。

ところで、医療機関は儲からないのだろうか。お医者さんは高給取りのイメージがあるが、診療所の経営は厳しいという。なぜなら、診療報酬が国によって定められているからだ。たとえば風邪を引いて、かかりつけの診療所で診てもらった場合、診療報酬は、再診料、外来感染対策向上加算、処方箋料を合計して5000円程度。生活習慣病で月に1回、薬を処方してもらう場合も同程度だ。

そこから、看護師、医療事務員の給与、医療機器代、薬剤や消耗品、水道光熱費、テナント代などを差し引くと、それほど残らない。まして、テナント代が桁違いの首都圏では、診療報酬の少ない患者ばかりだと赤字になることも考えられる。事実、倒産した19件の診療所のうち、9件は東京、4件は大阪と都市圏が目立つ。

昨今の物価高の影響により医療機関の倒産が急増したと思われるが、それは都市部だけの問題ではない。今年6月の改定により診療報酬が引き上げられた。しかし帝国データバンクは、「診療報酬の引き上げ幅で多少の補填となっても、収益性の改善には寄与しない」という医療機関を担当する金融機関担当者の話を引用し、今後の動向を注視すべきだとしている。

出典:帝国データバンク「医療機関の倒産動向調査(2026年上半期)

文 = 金井哲夫

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