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経営・戦略

2026.07.14 09:57

AIがエージェンシービジネスを変える──経営者が得た5つの教訓

stock.adobe.com

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この2年ほどのどこかの時点で、他のエージェンシー経営者たちとの会話の内容が変わった。どのクライアントが難しいかを話すのをやめ、事業そのものがなお成り立つのかを話すようになったのだ。敗北主義的な意味ではない。むしろ、自分たちがすべての土台にしてきた前提がもはや通用しないと気づいたときに起こる、静かな再調整に近い。

私はオーストラリアでデジタルマーケティングエージェンシーを経営している。SEO、有料メディア、そして現在「生成エンジン最適化(GEO)」と呼ばれる領域にまたがって事業を展開している。検索行動がAIプラットフォームへ移行するなかで、ブランドの可視性を維持する支援を行う仕事だ。私はこの変化について中立的な観察者ではない。以下は、この移行を間近で見守り、よかったと思える決断をいくつか下し、見直したい決断もいくつか経験してきた立場からの考察である。

いま多くのエージェンシーが犯している過ち

エージェンシー経営者がAIについて語るとき、会話はたいていツールに行き着く。どれを使うべきか、どれが過大評価されているか、チームをどう訓練するか。だが、それは間違った会話である。問題はツールではないからだ。

問題は、多くのエージェンシーがAIに対して既存モデルを速くすることを求めている点にある。本来問うべきは、その既存モデルがいまなお存在する価値があるのか、ということだ。

私たちは、不確実性に価格をつける唯一の方法として、請求可能時間とリテイナー契約を軸に事業を構築してきた。クライアントはどのような成果が得られるかわからなかったため、成果ではなく時間を買っていた。この取り決めは、実行コストが高かった時代には合理的だった。いまでは、その合理性ははるかに薄れている。

私が見ている限り、成長しているエージェンシーは、AIが実際に何を変えたのか、すなわち実行コストを変えたことに目を向け、なお高コストであり続けるもの、つまり判断力、説明責任、戦略的文脈を中心に価値提案全体を組み替えた企業であるように見える。この方向転換は、単なるリブランディングではない。組織図から順に作り直す必要があるからだ。

独自データ:多くのエージェンシーが気づかずに保有している資産

すべてのクライアント業務はデータを生み出す。パフォーマンスのベンチマーク、チャネル別の貢献パターン、成果を出したコンテンツ形式、そして静かに失敗した形式である。多くのエージェンシーはこのデータをクライアント別フォルダーにしまい込み、そのまま次へ進む。これは大きな機会損失だ。

AIによる競争圧力は、サービス提供への脅威として語られることが多い。しかし適切に構造化すれば、それは同じツールにアクセスできるクライアントの社内チームより、経験豊富なエージェンシーがはるかに大きな価値を持つ理由にもなる。違いは、数十件に及ぶ類似案件を横断したパターン認識にある。意図的に蓄積しなければ形成されない、組織的知見である。

私たちは約18カ月前に社内ベンチマークデータベースの構築を始めた。匿名化し、集計し、業界別および開始時の条件別に整理したものだ。高度なものではない。だが、新規商談の場で「同じカテゴリーの類似クライアントに基づくと、3カ月目と6カ月目の典型的な推移はこのようになります」と言えると、会話の性質は完全に変わる。推測ではなく、参照しているからだ。

変化する検索環境:多くのエージェンシーの適応より速い

GEOを新たな機会として論じる記事を書くこともできる。だが、その捉え方はすでに時代遅れだと思う。住宅リフォーム、専門サービス、高価格帯の消費財といった、慎重な検討を伴う購入カテゴリーで事業を展開するクライアントにとって、発見のかなりの部分はすでにAI生成の回答を通じて起きている。そこへ向かっているのではない。すでに起きているのだ。

そうした回答に登場するブランドは、偶然そこに到達したわけではない。誰かが、LLM(大規模言語モデル)が権威性をどのように評価するかに注意を払い、それらのシステムに問われている質問を軸に構造化したコンテンツを構築し、AIモデルが参照する自信を持てる外部引用プロフィールを作り上げたから、そこにいるのである。

これを第3四半期に追加すべき新サービスラインとして扱っているエージェンシーは、すでに後れを取っている。この領域で本物の深さを築いているエージェンシー、すなわちエンティティ間の関係、AIによるクロール可能性、各プラットフォームが権威性シグナルを重みづけする具体的な仕組みを理解している企業には、いつまでも開いたままではない機会の窓がある。専門性は、市場が追いつく前であれば常にプレミアムを生む。

成果連動型価格:不快だが、そこが要点である

率直に言おう。私たち自身もこの移行を完全には成し遂げていない。リテイナー課金から、測定可能な成果に連動した価格設定へ移ることは本当に難しい。多くのエージェンシーが持っていない水準の測定インフラが必要になる。基準値を設定し、適切な実験を行い、精査されることになるアトリビューションの主張に責任を持つだけの自信も必要だ。

同時に、それは多くのリテイナーモデルが静かに覆い隠してきたものも露呈させる。私たちの仕事が実際に成果を動かしているのか、それとも相関関係の恩恵を受けてきただけなのか、という点である。その説明責任は居心地が悪い。だが私は、業界が向かうべき先もそこだと考えている。

長期的に維持する価値のあるクライアントは、先月の顧客獲得コストがいくらで、その数字は改善しているのかを問うクライアントである。その問いに正確に答え、それに応じて価格を設定できるエージェンシーは、顧客獲得に苦労しない可能性が高いと私は考えている。一方で、その問いに答えられない組織は、リテイナーモデルを正当化することがますます難しくなるかもしれない。

今後数年はどうなるのか

私は、AIがエージェンシーを消滅させるという見方には懐疑的だ。しかし、クライアントが凡庸なエージェンシーを雇う理由の大半をAIが消滅させる、という見方には懐疑的ではない。

この時期を後から振り返って最良の成長局面だったと見るエージェンシーは、実行コストの圧縮に対して上流へ移動することで応じた企業である可能性が高い。つまり、戦略的業務、独自の知識資産、そして活動量ではなく成果への説明責任へと軸足を移した企業だ。

この移行は、それを実行する意思のあるエージェンシーであればどこにでも可能である。だが実際に行うところはごく少ないだろう。新しい構造が完全にできあがる前に、居心地のよい構造を解体しなければならないからだ。価値ある移行とは、たいていそういうものである。

forbes.com 原文

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