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気候・環境

2026.07.14 09:16

ネットゼロ政策で大気改善、英国に77億ポンドの生産性向上 報告書

Adobe Stock

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大気質の改善を目的としたネットゼロ政策により、英国では2050年までに77億ポンドの生産性向上効果が期待できるとの新たな分析結果が発表された。

クリーン・エア・ファンド(Clean Air Fund)が公表した報告書は、CBIエコノミクスとWSPに委託した調査に基づくもので、労働者の健康改善や就労期間の延伸を含む、よりきれいな空気がもたらす健康面・経済面での大きな価値を強調している。

報告書は、輸送、建物、産業、発電の各分野における脱炭素化が、2050年までに大気質の大幅な改善をもたらすと論じている。

同調査によると、その効果には3800万日の追加労働日が含まれ、同年までに英国経済に約16万8000人分のフルタイム労働年数が戻ることに相当する。

また報告書は、2050年までに約250万日の登校日が取り戻される可能性があり、教育成果の向上や、保護者・介護者の労働損失日数の削減にもつながる可能性があるとしている。1

そのうちロンドンでは、900万日を超える労働日の確保と4万4000人を超える早期死亡の回避が見込まれる。

クリーン・エア・ファンドの英国ポートフォリオ責任者であるニック・スミスは取材に対し、ネットゼロへの移行が大気質を大幅に改善し、それによって健康面と経済面で大きな恩恵をもたらすことをこの報告書は示していると述べた。

スミスは、大気質の改善は脱炭素化がもたらす最も直接的かつ実感しやすい恩恵の一つであり、今回の分析によれば、こうした施策は2050年までに約80億ポンドの生産性向上効果を生み出すと付け加えた。

同氏によれば、これは労働者の健康改善、疾病の減少、就労期間の延伸を通じて実現されるとともに、同年までに約50万件の入院を回避することで、国民保健サービス(NHS)の大幅なコスト削減にもつながるという。

「英国には生産性と健康の課題があることは分かっている。だからこそ、これらの数字が、きれいな空気は単なる『あればよいもの』ではなく、経済成長の中核的な推進力にもなり得るという事実を強く印象づけることを期待している」とスミスは筆者に語った。

スミスはさらに、ロンドン市長サディク・カーンが最近公表した数字にも触れた。それによると、2019年以降、ロンドンにおける大気汚染関連の死亡者数は約40%減少した。この数字は、この問題に対する強いリーダーシップとコミットメントが何を達成し得るかを示しているという。

「市長の政策の恩恵が実際に見え始めており、それは人々の健康という具体的な成果につながり、経済活動も後押しするだろう」とスミスは付け加えた。

同氏はまた、今週日曜日(7月5日)に、1952年のロンドンのグレートスモッグを契機に制定された英国初の大気浄化法(Clean Air Act)から70周年を迎えることにも言及した。

「大気汚染に関する基準や規制を見直す余地は、まだ残されている」とスミスは述べた。

「現状を点検し、EUに後れを取らないようにし、今後、大気質の改善からどのように恩恵を得られるかを考えるうえで、重要な節目だと思う」

インパクト・オン・アーバン・ヘルス(Impact on Urban Health)で大気汚染の健康影響プログラム責任者を務めるベン・ピアースはメールで、きれいな空気は気候政策であると同時に、健康政策として捉えられるべきだと述べた。

ピアースは、クリーン・エア・ファンドの報告書が、大気質に関する大胆な行動が人々の健康と経済に実質的な便益をもたらし得ることを示していると付け加えた。しかし、その恩恵は有害な空気に最もさらされているコミュニティに届く必要があるとも指摘した。

WSPで大気質担当のテクニカルディレクターを務めるガイ・ヒッチコックは声明で、この研究は、温室効果ガス排出削減に必要な同じ行動が、より清浄な空気、より良い健康成果、そして大きな経済的価値ももたらし得ることを示していると述べた。

ヒッチコックは、今回の調査結果は、脱炭素化に統合的なアプローチを取ることの重要性を改めて裏付けるものだと付け加えた。移行への投資は、2050年を待たずにコミュニティが実感できる便益を生み出し得るという認識が必要だとしている。

この報告書が公表されたのは、ヘルシー・エア・コアリション(Healthy Air Coalition)に参加する医師、臨床医、健康分野の活動家らが、英国で新たな大気浄化法の導入を求めているさなかである。同法には、世界保健機関(WHO)の基準に沿った新たな汚染目標や、現代の大気汚染源に対処するための措置が盛り込まれることになる。

同連合の議長で、NHSの上級小児科医でもあるカミラ・キングドン医師は声明で、新たな大気浄化法は「一部の環境主義者によるニッチな要求」ではなく、「私たちのコミュニティが受けるに値するもの」だと述べた。

forbes.com 原文

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