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リーダーシップ

2026.07.14 09:11

変革はなぜ失敗し続けるのか──従業員を「顧客」として扱う発想

Adobe Stock

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組織変革プログラムのおよそ4分の3は、掲げた目標を達成できずに終わる。この数字は、数多くのコンサルタント、膨大なチェンジマネジメントの枠組み、そして経営陣の強い決意が存在してきたにもかかわらず、50年間ほとんど変わっていない。ではなぜ変革は失敗し続けるのか。しかも、なぜ同じような形で失敗を繰り返すのか。

ジュリア・ダーは、その問いの内側でキャリアを築いてきた人物である。ボストン コンサルティング グループ(BCG)のマネージングディレクター兼パートナーであり、BCG行動科学ラボの創設者でもあるダーは、リーダーや組織がプレッシャー下でどのように意思決定するのか、そして変革が俎上に載ったとき、なぜその意思決定がしばしば崩れていくのかを研究する世界的権威だ。

BCGに入る前は、世界屈指のディベーターとして活躍していた。この経験は、人がどのように考え、意見を異にし、より良い成果を共につくるのかを生涯にわたり探究する土台となった。建設的な意見対立をテーマにした彼女のTEDトークは、多くの視聴者に届いている。ニュージーランドと英国で公共部門の職務に就いた経験もある。

ダーは2人の同僚とともに、『変革は実際にどう機能するのか:組織を変革するための科学に基づく7つの原則』を共著した。同書は行動科学に基づき、50カ国以上、数十の業界で検証された内容をもとにしている。

ダーの中心的な主張は、変革の失敗は戦略の問題であることはまれだというものだ。「問題は、その意図が組織内に伝わっていく過程で、なぜ変わるのかを明確に伝え、何が変わるのかについて期待値を設定し、人々がうまく変化できるようにするためのツールやリソースを提供することが、実際には行われていない点にあります」と彼女は筆者に語った。失敗は2つの意味で行動に関わるものだという。リーダーは何千人もの行動を変えられず、同時に多くの場合、開始時点で自ら行動上の誤りを犯す。「それほど難しいことではないだろう」と決め込んで、実行という難しい仕事を丸投げしてしまうのである。

その思い込みは、ダーが「変革距離」と呼ぶギャップに根ざしている。同じ発表を、経営幹部と従業員がどれほど異なる形で経験するかの隔たりである。これを測定するため、彼女のチームは1000人の経営幹部と数千人の従業員および現場管理職を含む6000人を対象に調査を行い、まだ詳細が何も示されていない段階で、仕事上の生活に変化が訪れるとしたらどう感じるかを尋ねた。「経営幹部の約3分の2は、『前向きに感じる』と答えます。一方で、従業員で同じように感じると答える人は半数を少し上回る程度です。非常に大きなギャップがあります」とダーは言う。統計的に正しい答えは中立だと彼女は指摘する。まだ何かを感じるだけの十分な情報がないからだ。

しかし経営幹部は、従業員が共有していない楽観に傾きがちだ。そのため、ダーの言葉を借りれば、「組織で変革を成功させるには、まず説得と説明が課題となり、そのうえで、人々が移行できるように質の高い行動上の導入路を提供することが必要になる」。

このギャップは、ダーがリーダーに断ち切ってほしいと考える習慣を説明する助けにもなる。従業員が抵抗していると責めることだ。彼女は、経営幹部がマーケティング責任者から同じ言い訳を聞いたら決して受け入れないはずだと比較する。「『顧客の意欲があまり高くないのです』と言われたとして、私たちはそれを許容できる説明だとは決して考えません。決して容認しないでしょう。ところが、企業の内部では、そのような説明の別形態を常に受け入れているのです」と彼女は言う。ダーの枠組みにおける解決策は、従業員を「変革の顧客」として扱うことだ。これは彼女の本の当初の仮題でもあった。従業員の消極性を単なる性格上の欠点と見なすのではなく、彼らがその変革を容易に「購入」できるようにするには何が必要かを問うのである。

ダーは、1940年代にブルーリッジ山脈のパジャマ工場で行われた研究に言及する。心理学者クルト・レヴィンの学生たちが、労働者の関与に関する初期の実験を実施したものだ。従業員が自分たちの作業順序の組み立てに何の意見も持てなかったとき、生産性は急落した。だが、プロセスを自分たちで形づくれるようになると、生産量はいったんわずかに落ち込んだ後、以前の目標を超えて回復した。「基本的な洞察は、私たちは変化そのものにはかなり前向きに感じることがある一方で、変えられることには明確に抵抗するということです」とダーは言う。「自分たちの周囲で変化が起きることには、明確に抵抗します」。この教訓を彼女はこう要約する。「人は、自分が建てるのを手伝った家を燃やしたりはしません。決してしないのです」

とはいえ、関与だけでは十分ではない。ダーは、意見を求められることと、実際に主体性を持つこととの間に明確な線を引く。「主体性とは、人々が自分の置かれた状況に応じて選択を行い、自分自身のエネルギーを含むリソースを差配できる力のことです」と彼女は説明する。「何かを行うための一定の行動の自由がなければなりません」。彼女はこれを、よく知られたIKEA効果と結びつける。人は自分が組み立てに関わったものを、より高く評価するという現象だ。ハーバード大学のマイク・ノートンの研究を引用しながら、彼女は人々が「プロが組み立てたものよりも、自分の手によるずっと素人っぽい箱に最大68%多く支払う」と指摘する。組織におけるその形が心理的オーナーシップだとダーは言う。「自分たちでつくったものを、私たちははるかに高く評価し、はるかに大切にし、たとえ美しくできていたとしても押しつけられたものよりずっと長く愛着を持つのです」

ダーは、変革のペースについても際立って具体的だ。彼女は、変革の最中にはおよそ2週間ごとに従業員の感情を測定することを勧めている。この頻度に驚くリーダーは多い。「そうしなければ基本的に失うのは、微調整を行う機会です」と彼女は言う。1カ月、あるいは6週間待ってしまえば、「小さなことだったものが、かなり大きく、場合によっては費用のかかる危機になり得る」。

おそらく最も直感に反する発見は、過去の失敗が残す傷跡に関するものだ。その傷は10年以上残ることがあり、その失敗が起きた当時に在籍していなかった従業員にまで及ぶことがある。「これは、組織に残り続ける感情的な真実を示す素晴らしい例です」とダーは言う。彼女の処方箋は、回避ではなく率直な対話である。次の取り組みを始める前に、過去に何がうまくいかなかったのかを人々が話し合う場をつくることだ。「話さないことで良くなるものは、ほとんどありません」と彼女は筆者に語った。さらに、変革の中でコミュニケーションを行うリーダーにとっての運用原則はシンプルだという。「正直であること、具体的であること、そして可能な限りタイムリーであること」だ。

会話の終盤、筆者はダーに、10年後に彼女のクライアントに取材するとしたら、どのような言葉を聞きたいかを尋ねた。彼女は指標を持ち出さなかった。「『この本を読んだ、あるいはこの考えを聞いた。この概念について研修を受け、それを組織に組み込み、毎日使っています』と言ってもらえたらと思います」と彼女は語った。

この答えは、じっくり受け止める価値がある。多くの変革施策は、開始日を守れたか、目標数値を達成できたかで評価される。ダーが測っているのは、もっと遅く、そしてごまかしにくいものだ。その考えが、それを持ち込んだ人物よりも長く生き続けるか。そして変革を経験した人々自身が、なおそれを前に運び続けているかである。

次にあなたの組織で変革の取り組みが停滞したとき、より有用な問いは、なぜ従業員が変化に抵抗しているのかではないかもしれない。なぜ誰も、彼らにその変革を共につくるよう求めなかったのか、かもしれない。

forbes.com 原文

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