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事業継承

2026.07.15 11:00

ブルーカラーの中小企業を買収する若い起業家が増加 AIの脅威が原因か

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一方、TD Bank U.S.(TDバンク・US)の中小企業向けバンキング責任者であるクリス・ウォードは、空調設備関連企業などへの需要は、ミレニアル世代の個人の買い手だけによって牽引されているわけではないと指摘する。プライベートエクイティ企業も、こうした基本的なサービスの価値に着目しているのだ。

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「私の兄は、大手空調設備会社のゼネラルマネージャーをしていますが、プライベートエクイティ企業が空調設備業界を次々と買収しているのは、それが我々全員にとって不可欠な技術的ニーズだからです」とウォードは語る。「景気が良い時も悪い時も、我々はそれらを必要としているからです」

前述した中小企業コンサルタントのペンツによると、ベビーブーマー世代が創業した企業への需要が生じている要因の一つは、いわゆる「サーチャー(searcher:良い中小企業を探して買収する個人バイヤー)」運動にあるという。過去10年余りのあいだ、若い経営学部の学生やMBA取得者たちは、ゼロから事業を立ち上げるよりも、中小企業を探し出して買収することの魅力にますます引かれるようになった。これは、「買収による起業(ETA:entrepreneurship through acquisition)」という名前でも知られている。

「ある種、冗談みたいな話ですよ。ハーバード・ビジネス・スクールに通って、オハイオ州サンダスキーで配管会社を経営するわけです。それが彼らのドリームってわけなんです」とペンツは言う。「『一体どういうことなんだ? 最初から配管工になった方がいいんじゃないか?(中略)ハーバード・ビジネス・スクールに行く必要はないだろう』って感じです」

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サーチャーたちは、ベビーブーマー世代が経営する企業を買収する手段として、中小企業庁(SBA)が提供する「7(a)ローン」を活用し、500万ドル(約8億1000万円)を上限に融資を受けることができる。しかし、場合によってはこれは、実際には経営する価値のない事業のために買い手が融資を受けてしまうことにもつながっている。こうした長期融資(不動産は最長25年、設備は最長10年)の一部は変動金利で提供されているため、2021年に金利が急上昇した際、一部の融資は返済不能に陥った。そして、融資の審査基準が厳格化されたことで、新規融資の件数は減少した。

では現在、どれほどの企業が経営権の移譲を行なっているのだろうか。Viso Business Capital(ヴィソ・ビジネス・キャピタル)の創設者兼オーナーであるヘザー・エンドレセンは、情報自由法(Freedom of Information Act)に基づいて請求を行い、2019年から2026年第1四半期までのSBA融資データを入手した。それによると、2025年には、SBAが保証する事業買収ローン成約が過去最高の6915件、総額81億7000万ドル(約1兆3230億円)だったという。これは、2023年の50億ドル(約8100億円)強から大幅に増加しており、前回のピークであった2021年の水準も大幅に上回っている。

「津波よりも、はるかにゆっくりとしたペースです」とエンドレセンは語る。ベビーブーマー世代の売り手たちは「徐々に学びつつあります。買い手側や銀行から、売却可能なビジネスを築くためには何が必要かを教えられているのです」

次ページ > 事業売却を考えるベビーブーマー世代への4つのアドバイス

翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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