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ビジネス

2026.07.15 11:15

「液体塩こうじ」が米国の食卓に。ハナマルキ、基礎調味料化による世界戦略

「おみそならハナマルキ」のCMで知られる味噌大手のハナマルキ(長野県伊那市)が、主力商品「液体塩こうじ」を米国の一般消費者に売り始める。2026年3月には、世界最大級の自然・オーガニック食品展示会「Natural Products Expo West 2026」(米カリフォルニア州アナハイム)に出展。「Cultured Umami Essence(発酵うま味エキス)」という新たなコピーを掲げ、現地の消費者向けにアレンジされた商品を初披露した。今夏ごろの店頭展開を目指す。

業務用で世界に足場を築いてきた発酵調味料は、米国の家庭に根づくのか。同社の花岡周一郎代表取締役社長に、意思決定の背景を聞いた。


業務用で進むグローバル展開、次は米での家庭用へ

塩こうじは、米こうじに塩と水を混ぜて発酵・熟成させた日本の伝統調味料だ。江戸時代の食物書「本朝食鑑」にも登場するが、広く知られるようになったのは2010年ごろの一大ブームから。麹に含まれる酵素がタンパク質を分解してうま味成分を引き出し、肉や魚を柔らかくして臭みを抑える──調理を助ける「機能性」が支持された。

ハナマルキが参入したのは2012年。ただし同社は、粒状の塩こうじをそのまま売らなかった。粒が食材の表面に残ると焦げやすいという弱点を、独自の圧搾技術で液体化することで解消したのだ。この製法は日本を含む世界5カ国で特許を取得している。

計量しやすく、混ぜやすく、焦げにくい。この使い勝手が大量調理の現場で評価され、液体塩こうじは唐揚げをはじめ食品メーカーの加工食品やコンビニ・スーパーの惣菜へと業務用の採用を広げた。ブームの退潮とともに撤退するメーカーも多いなか、発売以来14年連続で前年実績を更新。現在、塩こうじ事業は全社売り上げの約1割を占め、液体塩こうじの約6割は業務用が占める。

海外展開も業務用が先行した。2015年にタイに販売法人を設立し、2020年には同国に液体塩こうじの専用工場を稼働させた。あえて専用工場としたのには理由がある。食品の国際認証は工場や製造ラインの単位で審査されるため、日本の工場のように味噌などと設備を共用していると取得のハードルが上がる。タイの専用工場を足場に、同社は食品安全の国際規格FSSC、イスラム教徒向けのハラル、ユダヤ教徒向けのコーシャと、輸出先の市場ごとに求められる認証を一つずつ積み上げてきた。

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加藤智朗=文 小田駿一=写真

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