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ビジネス

2026.07.15 11:15

「液体塩こうじ」が米国の食卓に。ハナマルキ、基礎調味料化による世界戦略

マーケティングは、日本で10年以上磨いてきた店頭試食販売のノウハウを軸に、オンライン施策との両輪で進める構えだ。同席した平田伸行取締役は「海外の家庭用市場は初めての挑戦であり、プロモーションは研究が必要です。ただ、入り口は店頭からだと考えています。日本でも店頭から始めましたから」と語る。花岡も「あとは顧客に価値を伝え続けるだけです」と言い切る。

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塩や醤油のような、世界へ広がる基礎調味料に

海外の家庭用市場の開拓は時間がかかる。それでも投資を張れる根拠を、花岡はふたつ挙げる。

ひとつは特許だ。差別化の利かない商品で海外に出れば、現地や他国のメーカーに模倣され、待っているのは価格競争と長い投資回収だ。だが液体塩こうじは違うという。

「特許があるため価格競争にならず、市場を獲得できれば投資に対するリターンを確保できます。差別化された商品を事業の柱に育てることが、会社の収益性を高めると確信しています」

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もうひとつは、創業100年を超える非上場のオーナー企業という経営体制だ。上場企業であれば半期ごとの決算で投資効率を問われるが、同社にその制約はない。投じられる額は限られても、長く張り続けられることが優位性になると花岡は考えている。目標は明快だ。

「味噌と同じ規模です。現在は味噌が約4割、即席味噌汁が約4割という売り上げ構成ですが、これを3分の1ずつにしたい。そこまでは成長させたいと考えています」

決して控えめな数字ではない。だが、味噌が和食の文脈で使われる調味料にとどまりやすいのに対し、液体塩こうじはすでに中華やフレンチへと広がっている。塩や醤油のような「基礎調味料」として浸透すると、狙える市場の規模が桁違いになる。米国で認知を獲得できれば、他の国や日本国内への波及効果も必ずある──花岡はそこに、日本古来の発酵調味料の市場全体が活性化していく道筋を見ている。

ブームからおよそ15年。業務用の厨房で鍛えられてきた日本生まれの調味料が、世界の台所に並ぶ日は来るか。挑戦はこの夏、米国の店頭で始まる。

加藤智朗=文 小田駿一=写真

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