既存の海外投資家には、日本のJERAや石油資源開発(JAPEX)、オーストラリアのウッドサイド・エナジー、サウジアラムコ、アブダビ国営石油会社(ADNOC)と、その投資部門XRGが名を連ねる。いずれも複数年の供給契約やプロジェクトへの直接投資コミットメントを通じて存在感を示してきた。
カタールエナジーは2019年に早期参入した企業の1つだ。同社はエクソンモービルとの提携により、テキサス州のゴールデン・パスLNG輸出ターミナルの70%の過半数株式を保有している。また、直近の6月には、タイの国営エネルギー企業PTTが米国のLNG事業者と協議を進めていることが明らかになった。
米生産者にとって強い価格環境
投資家が列をなす中、米国内のガス価格見通しも生産者にとって上向いている。ウッドマッケンジーのLNG戦略・市場開発責任者、クリスティ・クレイマーは、米国内のガス指標価格(ヘンリーハブ先物)が1MMBtu(100万英国熱量単位)あたり2〜4ドル(約320〜648円)だった低価格時代は、過去のものになる可能性が高いと述べた。
クレイマーは最近のリポートで、2035年までに需要と供給の状況が変化する中、少なくとも1ドルの上昇を織り込む可能性を示唆した。
同氏はさらに、「迅速な鉱区開発、ほぼゼロコストの随伴ガス、前年比での生産性向上が、安価で安定した価格の前時代を支えてきた。そうした追い風はおおむね尽きた。電力部門の需要だけでも2030年代半ばまでに追加で日量170億立方フィートを必要としており、最も質の高い鉱区はすでに生産中である。ここから供給を増やすには、価格上昇が必要になる」と付け加えた。
2035年までにヘンリーハブ価格が1MMBtuあたり5ドル(約810円)となる新常態は、LNG輸出業者の利益率を圧迫する可能性がある。しかし、収益性の高いアジアと欧州市場ではガスがその数倍の価格で販売されることを踏まえれば、懸念材料にはならないはずだ。
予測では、2030年代初頭に米国は世界のLNG供給の3分の1超を占め、需要拡大は2040年代に入っても続くと見込まれている。
このように、今後10年は、海外および国内の電力需要が年を追うごとに増える中で、LNGへの巨大な投資機会につながる可能性がある。


