強気派は61.6%の上昇余地を見込み。悲観派はポンジ・スキームと呼ぶ
こうした状況にもかかわらず、ウォール街では強気論が優勢である。アナリスト27人が設定した12カ月後の平均目標株価は245.96ドル(約3万円)となっており、これは61.6%の上昇余地を示唆している。
強気派:垂直統合とスターリンクの好循環が全事業を支えるという筋書き
強気派の論拠は、キャッシュフローの現実とはかけ離れた、言葉の洪水である。スペースXは垂直統合型プラットフォームであり、圧倒的なシェアを誇る打ち上げ事業、最大規模の衛星インターネットネットワーク、AIインフラと火星開拓に対するコールオプションまで抱えている。そして、スターリンクによる現金創出の「好循環」が、そのすべてに資金を供給する──という筋書きだ。
レイモンド・ジェームズのアナリストであるブライアン・ゲシュアーレは、「鉄道、送電網、そしてインターネットがかつての経済システムを再構築したように」、スペースXは「次世代の産業能力を支える基礎的なプラットフォームを構築している」と書いている。
悲観派:評価額が10分の1になるまで買わない
悲観派はスペースX株を避けるだろう。その中にはGMOのジェレミー・グランサムも含まれる。グランサムはスペースXのIPOについて、おそらく「人類史上最も狂ったIPO」だと呼び、「現在の評価額の10分の1まで下がったときにしか興味を持たない」と述べた。ポール・クルーグマンは、スペースXを「ポンジ・スキーム」になぞらえた。
黒字化の道筋を示せなければ、投資家は損失を被りかねない
スペースXの強気派が抱く唯一の合理的な希望は、同社が市場の予想を常に上回る業績を報告することである。たとえば、現金を燃やし続ける打ち上げ部門やAI部門において、黒字化への明確かつ説得力のある道筋が示されることなどだ。
そうでなければ、マスクの楽観論、「現実歪曲空間」を信じ込んで株を購入した投資家は、スペースX株で損失を被ることになるかもしれない。


