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経営・戦略

2026.07.12 16:26

消費者は言葉ではなく行動を見ている──ブランドの価値観という「証拠」

stock.adobe.com

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業界を問わず、多くのブランドがダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)に関して後退姿勢を見せている。表現をやわらげたり、完全に撤回したりする動きが見られる。公共放送やメディア企業は政治的圧力への対応を迫られ、マーケターはより慎重になり、法務部門はコンプライアンスの再評価を進めている。リスク許容度は縮小しつつある。

マーケティングエージェンシーの創業者として私が感じているのは、難しい社会問題を扱うキャンペーンが、マスメディアで承認・実施・支持されにくくなっているということだ。たとえ人々がその大義に賛同していても、メディアやマーケティングのエコシステム全体としては、メッセージを届けることに以前より消極的になっているというのが私の実感だ。

その最もわかりやすい例がプライド(LGBTQのお祝い月間)だ。かつては毎年6月になると、ブランドが競うように名乗りを上げていた。ロゴが変わり、キャンペーンが立ち上がり、経営者たちがアライシップとインクルージョンについて声明を発した。中にはパフォーマンス的なものも、意味のあるものもあった。だがいずれにせよ、それはより広い真実を反映していた。すなわち、ブランドは文化の領域に踏み込んでおり、多くの消費者は「何を売るか」だけでなく「何を掲げるか」でブランドを判断し始めていたのだ。

しかし今年は、一部のブランドが後退した(登録が必要)。そして消費者はそれに気づいている。

後退には代償がある

消費者は一夜にしてブランドから離れるわけではない。しかし過去のコミットメントを守れないブランドに対しては、「最初から誠実ではなかったのではないか」と疑い始めるかもしれない。支持は最初から条件付きだったのだと結論づける可能性もある。

『Journal of Marketing Communications』誌に掲載されたフアン・ムンデルの研究は、著名ブランドがプライドのような公的コミットメントを縮小した際に消費者がどう反応するかを検証した。その研究によれば、プライドからの後退は「ブランドの機会主義の兆候、そしてブランドの倫理性に対する評価の低下」と解釈されうる。結果として、後退はブランド倫理やブランド態度に対する評価を弱め、時間とともに行動に影響を及ぼし、購買意欲にマイナスに働きうるという。そしてこのニュアンスが重要なのだ。

私はこれを、より深刻で危険な形のブランド毀損だと捉えている。つまり問題は単なる沈黙ではなく、一貫性のなさなのだ。

多くの消費者は、ブランドが想定するより支持的である

私の見立てでは、一部のブランドは最も声の大きい政治的反発に反応しているだけで、より広範な消費者の実像を捉えられていない。2025年のGLAAD/Ipsos調査によれば、アメリカ人の71%が、ブランドは「望むならプライド月間中にLGBTQコミュニティへの支持を示すべきだ」と考えており、70%はプライド関連商品の存在が購買判断に「プラスの影響を与えるか、影響がない」と回答している。さらに2025年のエデルマン・トラストバロメーターによれば、消費者の53%が、ブランドが社会問題への対応について語らない場合「最悪の事態を想定する」という。

これはすべての消費者が、すべてのブランドに、すべての問題への立場表明を望んでいるという意味ではない。しかし、支持を示すことのリスクは過大評価される一方で、後退のリスクは過小評価されている可能性がある、ということは示唆されていると思う。問いはこう変わる──ブランドは反発から自らを守っているのか、それとも自社の価値観は使い捨て可能なものだと消費者に教え込んでいるのか。

若い消費者はキャンペーンではなく行動を見ている

若い世代にとって価値観は単なるメッセージングではない。それは「証拠」なのだ。YouGovの調査によれば、Z世代の多くは、企業が「道徳的なメッセージ」を持ち、「社会問題に関わろうとする」姿勢を好むと答えている。

今日の多くの消費者、特に若い世代は、採用、パートナーシップ、メディア選択、スポンサーシップ、リーダーシップの言動、資金の流れ、ブランドが姿を見せる場所──そして姿を消す場所──を見ている。だからこそ、社会問題からの後退あるいは踏みとどまりは、企業の価値観が持続的なものか、それとも季節的なものかを試すテストケースになりつつある。

もう一つ重要な層がある。マーケターは何が有効性を生むかを理解していることが多いが、組織的な障壁が行動を阻むことがある、という点だ。シニアマーケター200人を対象としたWARC(World Advertising Research Center)のMultiplier Playbookによれば、経営層がブランドエクイティの変化を具体的な事業成果に日常的に結びつけていると答えたマーケターはわずか19%にとどまる。一方、System1とEffieの調査では、マーケターの52%が広告効果への確信のなさを挙げている。こうした状況は、大胆なクリエイティブや価値観に根ざした仕事をつぶしやすくする土壌となりうる。

これが現在の空気を説明するのに役立つ。後退は必ずしも消費者需要によるものではない。時には内部の恐れ、リーダーシップのずれ、短期的指標、そしてブランドエクイティを事業資産として理解できていないことが原因なのだ。

マーケティングは「証明せよ」の時代に入った

ブランディングの未来は、パーパスステートメントではなく「証拠」によって定義される。多くの消費者はこう問いかけている。

・この会社は困難な状況下でも自らの価値観を貫くか。

・プレッシャーがかかったときにインクルージョンは姿を現すか。

・ブランドはコミュニティを一年を通じて支援しているか、それとも商業的に都合の良いときだけか。

・リーダーシップはその仕事を擁護するか。

要点は、年に一度、企業のロゴを変えることではない。可視化がリスクを伴うときに、大切な社会問題と共に立ち続ける意志があるかどうかだ。今なおそうしているブランドもあれば、そうしていないブランドも多い。そして消費者はその違いを見抜いている。

ブランドが考えるべき3つのこと

1. 一貫性こそが新たな信頼性である

消費者は完璧を期待していない。ただし整合性は期待している。ブランドが容易なときに社会問題への立場を示していたのに、困難になると姿を消すのは、最初から関わらなかった場合以上に評判を傷つける可能性がある。

2. 価値観をメッセージではなく「オペレーション」として扱う

価値観は、メディア投資、パートナーシップ、クリエイティブの意思決定、従業員ポリシー、リーダーシップの言動の中に息づかなければならない。企業が実行に移す意志を持たない約束を、キャンペーンだけで背負うことはできない。

3. リスクを再定義する

無難な姿勢は短期的な論争を回避できるかもしれないが、独自性、信頼、そして長期的なブランドエクイティを弱めうる。慎重さが支配する市場では、確信こそが競争優位となる。

消費者はブランドが何を言うかだけを見ているのではない。それを言うことが代償を伴うとき、ブランドが何をするかを見ているのだ。

forbes.com 原文

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