企業の幹部たちから私がよく耳にする不満の一つに、次のようなものがある。
「今週は一瞬も休まずに働いたが、重要なことは何も達成できていない気がする」
興味深いのは、こうした不満を漏らすのが通常、業績に苦しんでいるリーダーではなく、高いレベルで実務をこなし、重い責任を担い、周囲のあらゆる要望に真摯に応えようとしている非常に有能なビジネスパーソンであるという点だ。
しかし、ある時点で、この「周囲に応える姿勢」は「受動的な対応」へと変化してしまう。彼らのカレンダーは、会議や電話、承認作業、そして絶え間ない割り込みで埋め尽くされ、リーダーシップの本質的な業務(戦略的思考、計画立案、コーチング、問題解決)は週の後半へと追いやられ、最終的には完全に消え去ってしまうことも少なくない。
予定がぎっしり詰まったカレンダーは、生産的であるかのような錯覚を生み出す。なぜなら、それによって自分が物事に関与し、存在感を示し、部下のために動いているように感じられるからだ。しかし、多忙であることと、前進していることは同じではない。多くの経営幹部が、丸一週間を会議室の中で過ごした挙げ句、金曜日の午後に「ビジネスそのものについて考える時間をまったく作れなかった」と気づく姿を、私は何度も目にしてきた。
ほとんどの会議は必要以上に長い
私が推奨するシンプルで、かつ最も効果的な変化の一つが「会議の時間を短縮すること」だ。
1時間の会議のほとんどは、45分に短縮できる。すべてではないが、大半がそうだ。15分のカットは画期的なことには思えないかもしれないが、1日に複数の会議を重ねれば、毎週数時間を、時には丸一日分の労働時間に匹敵する時間を生み出すことができる。さらに重要なのは、時間が限られているときほど、会議の質が向上する傾向があることだ。出席者はより集中し、より明確で生産的な議論を行うようになる。
リーダーはもっと「選択的」になるべきだ
私が絶えず目にしているもう一つの問題は、経営幹部が「自分の存在がどれほど必要か」を過大評価していることだ。すべての会議にリーダーが参加する必要はない。実際、何にでも首を突っ込んでいると、組織の意思決定のスピードが落ち、チーム全体の当事者意識(アカウンタビリティ)が低下してしまう。
私は会議を大きく以下の4つのカテゴリーに分類して考えている。
・意思決定のための会議
・情報共有のための会議
・ブレインストーミングやクリエイティブなセッション
・関係構築や交流のための会議
招待を承諾する前に、リーダーは自らにいくつかの問いを率直に投げかけるべきだ。
・私は本当にここに必要なのか?
・自分は意味のある価値をもたらしているか?
・自分が不参加でも、グループは同じ結論に達するか?
最初の問いの答えが「イエス」であることもある。しかし多くの場合、リーダーが丸1時間その場に同席していなくても、グループは同じ結論に達するものだ。
戦略的な業務は、偶然には発生しない
リーダーが行う最も価値の高い業務は、通常、公式な会議以外の場所で行われる。例えば、難しい面談の準備をするとき、人材問題について熟考するとき、戦略を練り直すとき、新たな機会を評価するとき、あるいは問題が深刻化する前に解決するときなどだ。
しかし、そうした思考には誰にも邪魔されない時間と空間が必要であり、ほとんどのエグゼクティブはそれを意図的に確保していない。
私は「自分自身との会議」を予定に入れることを強くお勧めしている。文字通り、クライアントとの電話や取締役会と同じように、戦略的業務のための時間をカレンダーに登録するのだ。
フォローアップ、報酬制度の設計、プレゼン資料の作成、長期戦略の策定など、必要な時間はすべてカレンダーに登録している。そうしなければ、1週間の予定はあっという間に他人の都合で埋め尽くされ、熟考を要する戦略的な業務のためのスペースが失われてしまうからだ。
そして、一つのタスクが完了したらそれを記録し、次のステップに取り組むための新たな枠をカレンダーに確保する。これにより頭の中の雑音(メンタルクラッター)が減り、重要な仕事が確実に前進するようになる。
小さなシステムが精神的疲労を軽減する
現代のエグゼクティブは、単にタスクを処理するだけでなく、頭の中で積み重なった未解決の「コミットメント(気になること)」を管理している。こうした未解決の事柄は、時間が経つにつれて精神を疲弊させ、燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす原因となる。
私を大いに助けてくれた小さな習慣の一つは、重要なメールを直接カレンダーにドラッグ&ドロップすることだ。じっくり返信する必要があるメールを受け取ったものの、すぐに処理する時間がない場合、記憶に頼るのではなく、そのための時間をカレンダー上で予約する。フォローアップの予定が確保されていると分かっているだけで、「やり残した仕事がある」という不安や焦燥感を軽減できる。
細部に振り回されることなく、状況をコントロールするための習慣を身につけることが重要だ。例えば、明日のタスクを考えて夜中に目が冴えてしまうようなときは、ベッドサイドにメモ帳を置いておき、キーワードを書き留めておけばよい。「明日対応すれば大丈夫だ」と認識することで、安心して眠りにつくことができる。
すべてのことに返信する必要はない
キャリアの初期段階では、すべてのメール、電話、留守番電話、さらにはファクスに迅速に応答することに誇りを持っていたかもしれない。しかし、より大きな規模でリーダーシップを発揮するためには、マインドセットを変える必要がある。すべての事柄が、あなたの返信や全力の注意を引くに値するわけではない。
優れたリーダーは、徹底的にフィルタリングすることを学ぶ。今すぐ集中すべきものは何か、ざっと目を通すだけでよいものや無視してよいものは何かを見極めるのだ。あらゆることに対応していると、意図せずして「この人はいつでも連絡がつき、すぐに返信をくれる」という期待を周囲に抱かせることになる。
チームとの間で、明確なコミュニケーションのルールを確立することだ。例えば、宛先(To)に直接あなたの名前が入っている場合は、本当にあなたの対応が必要であることを示す。一方で、CCに入っている場合は確認は任意であり、必ずしもアクションを起こす必要はない、といった具合だ。
自分がどのように情報を処理しているかをチームに開示し、効果的なコミュニケーション方法を理解してもらう。その目的は、本当に重要なことを見落とさないようにすることだ。
アシスタントの役割は「空き時間の調整」ではなく「戦略的時間の保護」
エグゼクティブ・アシスタントや秘書と仕事をするリーダーにとって、互いの認識の擦り合わせ(アライメント)は非常に重要だ。
優秀なアシスタントは、単に空き時間を管理したり、カレンダーの空白を予定で埋めたりするだけではない。私がこれまでに一緒に働いた優秀なアシスタントたちは、優先事項、業務のリズム、境界線、そしてリーダーの注意がどこで最も価値を生み出すかを明確に理解していた。
彼らがあなたの「戦略的フォーカス」を守り抜くことができるよう、密に連携して仕事を進めるべきだ。
おわりに
つまるところ、カレンダーは単なるスケジュール管理ツールではない。あなたのリーダーシップを最も明確に映し出す鏡なのだ。
そこには、あなたが何を優先しているか、どれほど受動的になっているか、思考のためのスペースを確保できているか、そして、その時間がビジネスの本質的な価値を生み出す活動と一致しているかが表れる。
私は、多くのエグゼクティブが「連絡のつきやすさ」という自らが作り出した罠の囚人になっているのを見てきた。一方で、時間の使い方に対してより自律的になるだけで、生産性を劇的に向上させたリーダーたちも目にしてきた。
リーダーシップは、カレンダーがどれだけ埋まっているかで測られるのではない。本当に重要なことに時間を投資できているかによって測られるのだ。



