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食&酒

2026.07.12 09:43

イタリアのコーヒーブランド「ラバッツァ」はいかにしてハリウッドを席巻しているのか

Adobe Stock

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すべては、数々の賞に輝くApple TV+のヒットシリーズ『ザ・モーニングショー』シーズン4(2025年)に登場した1杯のコーヒーから始まった。ジェニファー・アニストンら豪華キャストがコーヒーを手に朝のルーティンを始める様子は、非常に自然に描かれている。物語が進むにつれて、多くの人々にとって日常の一部であるように、ますます多くのコーヒーが消費され、画面に映し出される。そのコーヒーを注意深く見ると、イタリアのブランド「ラバッツァ(LAVAZZA)」であることがわかる。

ブランドプレースメントは、いまや珍しいものではない。数多くの企業がテレビ番組や映画とスポンサーシップやパートナーシップを結び、さりげなく——時にはあからさまに——製品を宣伝してきた。ニールセン・メディア・リサーチによると、人気番組内でのプロダクトプレースメントによってブランド認知度は29%上昇するという。しかし、ストリーミングサービスの普及とコマーシャルをスキップできる仕組みを踏まえ、企業は製品を見せる新たな方法を模索する必要に迫られている。

それでも、ラバッツァはテレビシリーズの中でブランドを強調したり、クローズアップしたりすることを求めていない。同社は自社のソーシャルメディア上の広告や、ドラマ『ジ・オフィス』に出演した俳優のスティーブ・カレルやジョン・クラシンスキーなどのアンバサダーを通じてそれを実現している。カレルとクラシンスキーは、NBCのアイコニックなシリーズで築かれた2人の強い絆を称え、同社の新しいマスコット「ロボットのルイージ」を紹介する、複数の広告に出演した。

なぜなら同ブランドは、エレガンスや創造性、そしてコーヒーの味わいと同じように、高い芸術性と卓越性を体現するパートナーと緊密に連携することに注力しているからだ。イタリア人が誇りを持つものがあるとすれば、それは食、歴史、芸術、文化、そしてコーヒーである。

「自分たちが何者であるかという点でイタリアのヘリテージを維持しつつも、グローバルブランドへと成長したいと考えていた。そのため、コーヒー(およびコーヒーの消費)に対する異なる見方を提案するというアイデアが生まれた」と、2023年から同ブランドで働くラバッツァ・ノースアメリカのマーケティング担当バイスプレジデント、ダニエレ・フォティ氏は語る。「コーヒーは必ずしも飲料そのものだけでなく、風味やコーヒーに対する私たちの見方に関わるものだ。消費者は自分が何を買うかを非常に重視しているため、彼らの関心に寄り添うことが重要になる。コーヒーは文化そのものであるため、きわめて魅力的な製品なのだ」

1895年に創業され、今なお家族経営を続けるこのイタリアブランドは、常に良質なコーヒー作りに専念しつつ、時代のポップカルチャーとつながり続けてきた。1970年代、テレビが白黒からカラーへ移行した時代には、イタリア人俳優ニノ・マンフレディをブランドの顔として起用し、その役は16年にわたって続いた。北米部門をニューヨークに開設した後、同社は同市とアートの結びつきに注力した。1990年代から2000年代にかけては、グローバルなサステナビリティ、イノベーション、そしてヨーロッパにおけるアートとの関係に焦点を当てた。手頃な価格から売上は伸び続けたものの、ブランド認知への影響はほとんどなかった。

2018年、同ブランドはゴールデングローブ賞のスポンサーとしてハリウッドへの進出を試みたが、翌年以降スポンサーシップを継続することはなかった。ラバッツァがポップカルチャーおよびハリウッドの主要イベントや作品に本格的に関わるようになったのは、フォティ氏の在任中に入ってからだ。

GEキャピタル、コカ・コーラHBC、ロレアルといった大手消費財ブランドで経験を積んできたフォティ氏は、イタリアで生まれ育ち、コーヒーへの愛は「DNAに組み込まれている」と語る。彼はコーヒーについて何時間でも語れるほどで、ラバッツァでの職を得たとき、他人にブランドをどのように見てもらいたいかを明確に把握していた。

同社はすでに東海岸で、ニューヨーク市の本社と写真・アートシーンとの結びつきによって確固たる地位を築いていたが、フォティ氏はそれをさらに広げた。2024年、ラバッツァは全米オープンの公式コーヒーとなった。翌年には、著名なイタリア系アメリカ人監督マーティン・スコセッシと、その娘で女優兼映画製作者のフランチェスカ・スコセッシと緊密に協業し、ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・アーツにあるマーティン・スコセッシ・バーチャル・プロダクション・センター内にカフェラウンジを設立した。

フォティ氏にとって、これは芸術を受け入れて高めること、そして「創造性、精密さ、想像力、そして私たちが“エストロ(estro)”と呼ぶユニークなイタリアの精神を融合させたマインドセット」を体現することであり、同時に次世代のアーティストを支援することでもある。

ハリウッドへの関与にあたっては、西海岸文化が東海岸文化と大きく異なることから、異なるアプローチを採った。フォティ氏はこう認める。「私たちは西海岸を、ブランド認知度やコーヒーに対する人々の見方という点で、まったく別の国のようにとらえて臨んでいます」

ラバッツァは、他の多くのコーヒー会社のような「フランチャイズ・ブランド」になったり、番組の合間にただCMを流したりすることを望んでいない。同社が重視し続けているのは、その地域の文化とつながることであり、西海岸においては、それはウェルネスとエンターテインメントに集約される。同社は、自社の目標である「創造性、芸術性、卓越性」を際立たせるブランド・パートナーシップに注力し始めた。

だからこそラバッツァは2024年、独創的で独立した新しいストーリーテラーに焦点を当てる「フィルム・インディペンデント・スピリット・アワード」の公式コーヒー・スポンサーとなった。この授賞式は、主要なアワードが見落としがちな新しい才能にスポットライトを当ててきた(1987年にスパイク・リーが『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』で初の主要な賞を獲得したのが、このスピリット・アワードであったことを忘れてはならない)。

「私たちは、コーヒーと創造性、そしてどんな環境がそれにふさわしいかを自問しました」とフォティ氏は語る。「フィルム・インディペンデント・スピリット・アワードは、自然な流れで浮かび上がってきました。なぜか? 主要な監督たちが、仕事や制作の合間にコーヒーを片手に持つ強力なイメージがあるからです。考えてみれば、それは実に自然なことです。コーヒーによる高揚感と創造性。私たちのDNAには創造性があります。だからこそ、彼らとパートナーシップを結び、この芸術を生み出す業界を支援しようと考えたのです」

ラバッツァは、当初イタリア映画と文化に焦点を当て、次第に国際的な作品を扱うようになったトロントのイタリアン・コンテンポラリー・フィルム・フェスティバルにも関わってきたが、その人気は依然として地域的なものにとどまっている。フィルム・インディペンデント・スピリット・アワードもロサンゼルスを拠点とし、LAとハリウッドの作品に重点を置いている。

ラバッツァは、控えめで洗練されたコラボレーションで成長してきたが、極めて派手で騒がしい業界であるハリウッドでは、大きく声高な発信も必要だと認識していた。2024年、同社は華麗なリアリティ競技番組『アメリカズ・ゴット・タレント』のシーズン19および20とパートナーシップを結んだ。

『アメリカズ・ゴット・タレント』の公式コーヒーパートナーとして、ラバッツァは審査員席、歴史あるパサデナ・シビック・オーディトリアムの撮影セット、「AGTミュージックルーム」、控え室やオーディションエリアなど、番組全体で目立つブランディングを展開した。同社はさらに、シリーズ全体を通じて出演者やスタッフに無料でコーヒーを提供し、ファン向けの懸賞やプレゼント企画も実施した。

「これは私たちの目標と重なるストーリーだ」とフォティ氏は説明する。「才能、および自らのストーリーを語り、ステージ上で自分自身や才能、専門性を表現する人々をサポートすることだ。この場合、ブランド戦略の観点から言えば、大きな舞台でありながら私たちのブランドがあまり知られていなかったため、目立たせたいと考えた。まずは知名度を押し上げ、人々の反応やトレンドを見極める。コーヒーと才能を分かちがたく結びつけることで、私たちのストーリーを構築していくのだ」

『ザ・モーニングショー』のような上質なテレビドラマにおいて、ラバッツァはドラマやストーリー、そして登場人物たちが経験する共通のルーティンである「コーヒーを飲むこと」と結びつきたいと考えていた。コーヒーは多くの人々の日常生活の一部であり、ラバッツァをその日常に紐づけたいと考えたのだ。

「私たちは、創造性、芸術、そしてコーヒーという共通の土台をうまく響き合わせる物語を築こうとしていました」とフォティ氏は強調する。「私たちのブランドが、『ザ・モーニングショー』『アメリカズ・ゴット・タレント』『フィルム・インディペンデント・スピリット・アワード』といった異なる表現形式とつながり、その物語の一部となりつつ、卓越したコーヒーであり続けることを望んでいたのです」

同社は最近、4月に開催された「The Daily Front Row」の第10回年次ファッション・ロサンゼルス・アワードともパートナーシップを結び、公式スポンサー兼コーヒーパートナーとなった。これは、ハリウッドのファッション業界の才能を称えるイベントであり、業界における創造性と自己表現へのラバッツァの支援を結びつけるもう一つの手段だ。

もちろん、米国でコーヒー消費とブランドが激しい競争にさらされている業界においては、マーケティングとパートナーシップが機能している証拠が必要となる。ラバッツァの年次売上・利益報告書によると、ラバッツァの2025年の売上高は15.7%増の44億8000万ドル(約7250億円)となり、これは北米での成長(ドナルド・トランプ米大統領の輸入関税にもかかわらず、売上高は27%増加)に牽引されたものだ。

フォティ氏は、本社が北米部門への注力と投資を続けていることを成功要因に挙げる。米国でのマーケティングは極めて重要であり、地理的およびマーケティング上のリーチを拡大する必要があった。

「特に成長への野心を持ちながら戦略を組み立てるときは、頭にある目的と、途中で取り込んだ機会をうまく組み合わせることが重要です」とフォティ氏は語る。「それが私の仕事の面白いところの一つです。目的があり、ブランドをどう築きたいかがわかっていて、多くの計画を立てる。しかし最終的には、これは意味があるという直感が働くのです。常にそれらの組み合わせなのです」

とはいえ、ラバッツァがどこにでも登場したり、誰とでもパートナーシップを結んだりすると期待してはいけない。視聴者は、Netflixの『ラブアイランド』や『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』のような人気リアリティ番組や、同社の価値観を反映しない場所でこのコーヒーブランドを見ることはないだろう。同社は、現在の流行や人気に飛びついたりはしない。

「自然でなければなりません」とフォティ氏は述べる。「結局のところ、ブランドとのつながりの持続性が問題です。そうでなければ、人々はすぐに忘れてしまいます。私たちは、これまで続けてきたパターンを継続したいのです——価値観や目標とつながり、物語を語れること。単にそこに存在するためではなく、私たちの物語を築く手助けをしてくれる相手とパートナーシップを結ぶことが大切なのです」

ラバッツァはマーケティングと事業拡大の計画を続けており、最近ではトライベッカ映画祭ともパートナーシップを結び、フォティ氏はブランドがポップカルチャーの中で進化してきた過程についてパネルで語った。同社はまた、2週間前にAmazon MGMスタジオの敷地内で最新のイノベーション「ラバッツァ・タブリ・コーヒーシステム」を発表した。さらに、7月にはAmazon Musicの人気ポッドキャスト「ザック・サング・ショー」の冠スポンサーとなることも発表している。フォティ氏はさらに多くの計画を明かしたそうだが、微笑みながら言葉を控える。

「エンゲージメントのルールがあるのです」と彼は説明する。「ハリウッドと業界全般で、将来のパートナーシップを検討している案件があります。それは私たちが追求すると決めたパターンで、私たちにとって重要かつ意義のあるものです。ラバッツァは、この新しい章と物語を築き続けるつもりです」

forbes.com 原文

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