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経営・戦略

2026.07.12 08:43

優れた組織は配られた手札で戦わない。勝てる「場」を自ら設計する

Adobe Stock

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有益なマネジメントの教訓は、思いがけない場所から得られることがある。現実の比喩は、慎重に用いれば、私たちがすでに知っていながら、うまく説明できずにいることを明確にしてくれる。

誤解のないように言っておくと、私はギャンブルを推奨しているわけではない。しかし、ブラックジャックとクラップスを比較してみてほしい。ブラックジャックは「個人の最適化」のゲームだ。プレイヤーにはそれぞれ手札、チップ、決断、そして結果がある。一方、クラップスは「勢いの共有」のゲームだ。シューター(サイコロを振る人)の調子が上がると、テーブル全体が活気づく。初対面同士の人々が同じ結果を応援し始める。狙うべきポイントは明確で、賭け金も目に見える。そして数分間、誰もが「他人の成功が自分自身の成功に直結している」ことを理解するのだ。

これこそが、優れたマネジメントが生み出すべきもの、すなわち「共有された目標、優先事項、あるいは成果」である。全員が「成功とはどのような状態か」を理解し、一人の人間や一つのチームが勝てば、組織全体が勝つのだと実感する。クラップスのテーブルでは、目標達成に向けて前進しているとき、テーブルの全員がその進捗を目にするだけでなく、肌で感じる。これはリーダーが決して無視してはならないマネジメントの教訓である。リーダーは、組織が単に目標について語っているだけでなく、実際にそれに向けて前進していることを知る必要がある。

同じ「ポイント」に向かって動く

ブラックジャックは、サイロ化した組織の比喩としてかなり適切である。他の人と一緒に座ってはいるが、プレーしているのは自分の手札だ。誰かの判断がカードの流れに影響を与えることはあっても、チームとしての結果は存在しない。隣の人が負けている一方で、自分は勝つことができる。自分にとって数学的に正しい判断を下しながら、他の全員をいら立たせることもできる。

クラップスにおける「ポイント」というメタファーも、驚くほど的を射ている。優れたリーダーは、「これがポイントだ。私たちが達成しようとしているのはこれだ。これで、私たちが共に勝てたかどうかがわかる」と言えるはずだ。非常に多くの組織が苦境に立たされているのは、社員が一生懸命働いているものの、同じポイントを目指していないからである。ある部門はマージンを守ろうとし、別の部門は販売量の拡大を目指し、また別の部門は企業文化の維持に努め、さらに別の部門はリスクの回避を図る。これらはすべて妥当な目標だが、最優先のポイントを誰も知らなければ、組織は全員がそれぞれの手札をプレイするブラックジャックのテーブルになってしまう。

企業内の全員が同じ方法で貢献する必要はない。財務は慎重であってよい。営業は積極的であってよい。オペレーションは実務的であってよい。イノベーションは投機的であってよい。目指すべきは全員に同じ振る舞いをさせることではなく、異なるリスクプロファイルを共有された成果の下に整合させることである。

組織の全員が自分の手札だけを見てプレーしているなら、全員がともに成功する瞬間はあるかもしれない。だが、その共有された勝利は長続きしない。それは、予想外の上振れがあった後に開かれる職場のピザパーティーによく似ている。全員が昼食のひとときを楽しみ、その後は自分のデスクに戻り、それぞれが最も重要だと感じる優先事項へ戻っていく。

マネジメントにおいて最も困難なことの一つは、自分が直接コントロールできない成果に対して、人々に当事者意識を持たせることである。強固な組織は、それを意図的に設計している。これこそが、ここでの真の教訓だ。リーダーは、単に「協力しなさい」と指示し、それが実現することを期待するだけではいけない。テーブルを設計しなければならないのだ。目標、ダッシュボード、インセンティブ、予算プロセス、会議の構造、そして表彰制度のすべてが、自分たちがどのようなゲームをプレイしているのかを人々に伝えるのである。

組織の「テーブル」を設計する

では、実際にテーブルを設計するとはどういうことなのだろうか。

1. ポイントを明確に名づける

リーダーは、戦略や予算、年間目標のリストがあるために、すでにこれを実行したと考えがちだ。だが、本当のポイントはそれよりも単純で、ずっと短期的なものだ。今後90日間における組織の目標を考えてほしい。それが、今この瞬間に最も重要な主要成果である。それはキャッシュフローかもしれないし、定着率、利益率、成長、安全性、顧客満足度、市場投入までのスピードかもしれない。何であれ、チーム全員がスライド資料なしで繰り返し言えるべきだ。

2. 潜在的な障害を特定する

ポイントが定まったら、チームはそのポイントの達成を妨げるリスクを特定する必要がある。発生確率が最も高く、ポイントへの影響が最も大きいリスクに集中する。発生確率が低く、影響も小さいリスクも示すべきだが、それはチームがポイント達成を最も妨げる可能性の高いリスクに焦点を絞るために限られる。

3. スコアボードを設計する

次に、役員だけでなくチームの全員がアクセスできる90日間のスコアボードを設計する。チームがスコアボードを目にできなければ、自分たちが勝っているかどうかもわからない。進捗をリアルタイムで確認できないのに、どうしてチームが目標に向けた進捗を共有し、一致団結することを期待できるだろうか。見える化するのだ。チームが同じオフィスで働いているなら、全員が1日に何度も通りかかる共有スペースに設置する。リモートワークの場合は、共有サイトに掲載し、定期的に進捗レポートをメールで配信する。

4. インセンティブを勝利と連動させる

チームがポイントを達成した場合、どうなるのだろうか。ボーナスプールは、最も導入しやすいインセンティブの仕組みであり、株式所有権がない非営利組織の文脈において特に有効に機能する。営利企業を経営している場合は、従業員株式所有計画(ESOP)を検討するとよい。そして、もしチームがポイントを達成できなかった場合でも、インセンティブの少なくとも一部を次のポイント(次の90日間)に繰り越し、前四半期にチームが注いだ努力が無駄骨に感じられないようにする。

優れたリーダーは、ポイントを定義し、トレードオフの関係にある事柄をオープンに議論させ、スコアを可視化し、インセンティブを連動させることを、すべて同時に行う。

各部門がそれぞれ独自のスコアカード、守られた予算、自分たちだけの成功の定義を持っていれば、人々はブラックジャックのプレイヤーのように振る舞う。だが、組織に明確なポイント、共有された可視性、整合したインセンティブ、そして集団としての進捗を称賛する文化があれば、人々はクラップスのテーブルにいるかのように行動し、大きな勝利を収めるたびに共に喜ぶようになる。

forbes.com 原文

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