米国株式市場で資産を築くことはできるが、必ずしも最良のインカム源であるとは限らない。質の高い海外株の中には、S&P 500の平均配当利回り1.05%を大きく上回る配当利回りをひそかに提供している銘柄がある。
米国外企業に投資対象を広げれば、ポートフォリオのインカムを高められる可能性がある一方で、追加的なリスクも伴う。国際的な財務報告基準は異なり、為替レートは変動し、政治・規制環境も流動的になり得る。税務も複雑化する可能性が高い。また、インカムは予測しにくい場合がある。海外企業の配当は利益に基づき、変動しやすい傾向があるためだ。こうした理由から、慎重な調査と分散投資へのコミットメントをもって、保守的に進めるのが賢明である。
アナリストが注目する米国外企業株6銘柄
米国外企業の配当株を探す際には、自分の投資目的に応じて、さまざまな条件でスクリーニングできる。今回の銘柄一覧には、次の基準を採用した。
・時価総額が最低100億ドル(約1兆6200億円)
・配当利回りが最低2.5%
・配当実績が最低5年
・調査対象としているアナリストが最低3人おり、平均投資判断が「買い」または「強い買い」
条件を満たす銘柄を利回り順に並べると、以下の6銘柄が最も注目されている投資機会として浮かび上がった。
・中国のH World Group Limited(華住集団)
・アイルランドのSmurfit Westrock PLC
・中国のJD.com(京東)
・日本の武田薬品工業
・英国のRELX
・中国のYum China Holdings(百勝中国)
これら企業の大半は、米国預託証券(ADR)として米国の証券取引所で取引されている。ADRは、米国外企業の普通株を表す証券で、米国の銀行が発行し、米ドル建てで価格が付けられる。ADRには3つのレベルがあるが、ここで取り上げるのはレベルIIとレベルIIIのみである。いずれも主要取引所で売買され、レベルIのADRより厳しい情報開示要件が課される。



