ハリウッド業界はミューズ・イメージにどう対応したか
16万人以上の俳優やエンターテインメント業界の専門家を代表する労働組合「SAG-AFTRA」は、米国時間7月9日夜に公表した声明の中で、組合員に対してミューズ・イメージの設定をオフにする(自分の写真を対象から外す)よう促した。同組合は「メタは今や、誰もが本人の同意なしにインスタグラム上の写真をAI画像生成に利用することを可能にした」と警告し、組合員に対して「自身の肖像を守る」よう促した。
SAG-AFTRAは過去にもAIに関わる問題への対処を迫られており、これは2023年のストライキにおける争点の1つでもあった。今年初め、同組合は「重大な付加価値」をもたらす場合を除き、AIで生成された俳優・タレントの使用を制限する契約を承認している。
また、米大手芸能事務所の1つであるクリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシーも今週、メタに対し、同機能をオプトアウト方式ではなく、希望者のみが参加するオプトイン方式に変更するよう求めた。「アーティストには、自身の肖像や作品がどのように使用されるかを決定する権利がある」と同社は述べ、クリエイターが自身の肖像の利用に関する「制限を設け、その使用状況を監視し、無許可の宣伝に利用されたり搾取されたりすることを防ぐ」ことを可能にするよう、メタに求めた。また、マシュー・マコノヒーやテイラー・スウィフトをはじめとする著名人の間では、AIによる悪用から自身の肖像を守るために商標を登録する動きも広がっている。
サイバーセキュリティ企業の反応
サイバーセキュリティ・ソフトウェアを開発するマルウェアバイツはブログへの投稿で、同モデルが「なりすまし、詐欺、その他の悪用」に利用される可能性があり、サイバー犯罪者が「フィッシングや詐欺」を行うことを容易にしかねないと警告した。
「インスタグラムを開いた際に、メタが『使いたくない場合はこれをオフにしてください』という大きな太字のメッセージで事前に通知してくれることを期待するだろうが、そのような親切な仕組みはない」と同社は指摘し、オプトアウトの切り替えスイッチを見つけること自体が「一種の冒険に近い」と付け加えた。
また、サイバーセキュリティ企業のプロトンも、この機能が「重大なプライバシー上の懸念」を生み出したと述べ、オプトアウトの選択肢が「設定の奥深くに埋もれている」と指摘した。電子フロンティア財団のシニアセキュリティ・プライバシー・アクティビストであるソリン・クロソウスキーは、英紙ガーディアンに対し、この設定は「絶対にオプトイン方式であるべきだ」と語り、AI画像生成について、「ユーザーが何年も前にインスタグラムに登録したときには、確実に誰も想定していなかった」と指摘した。


