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リーダーシップ

2026.07.10 15:05

福利厚生の周知はなぜ従業員に届かないのか──人事が見直すべき3つの視点

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福利厚生の選択期間(オープン・エンロールメント)と、それに至るまでの数カ月間は、人事(HR)チームにとって年間で最も重要なコミュニケーションの機会の一つだ。福利厚生は組織にとって多大な投資であり、従業員は自身の健康や家計、そして家族に直接影響する重要な決断を下すためにこのプロセスを頼りにしている。しかし毎年、同じ問題が繰り返される。従業員は変更内容を十分に確認しないまま、前年と同じプランをそのまま選択してしまう。あるいは、補償内容を誤解したり、利用可能な制度を見落としたり、急いで決めて後から後悔したりするのだ。

ジャストワークス(Justworks)の委託によりハリス・ポール(The Harris Poll)が実施した調査によると、Z世代とミレニアル世代の労働者の半数以上が、選択肢を理解できないために医療保険プランをランダムに選んだことがあるという。さらに45%は、この期間中に誰に助けを求めればよいのかさえ分からないと答えた。同時に、LIMRAの「2024年Beat調査」では、従業員の3分の2が福利厚生の確認と申請に費やす時間が1時間未満であり、なかには30分未満しかかけない人もいることが判明した。健康やお金に関する重要な決断を下す時間としては、あまりに短い。

問題は、人事や福利厚生チームの努力不足にあるのではない。私たちの多くは、従業員が十分な情報に基づいて決断できるよう、プランの検討、資料の準備、そして周知キャンペーンの構築に何カ月も費やしている。根本的な課題は、福利厚生の周知におけるコミュニケーションそのものにある。全員にとって有用な情報を届けようとするあまり、結果として個人のニーズに合わない、一般的な内容に終始してしまうのだ。

人事チームが次の申請サイクルに向けて本格的に計画を練り始める今こそ、福利厚生に関するコミュニケーションの設計と、その効果の測定方法を見直すタイミングだ。

なぜ従業員は福利厚生の選択に苦労し続けるのか

福利厚生の専門用語は本来、複雑なものであり、大半の従業員は保険の専門家ではない。彼らを支援するため、企業はメール、社内ポータル、PDF、説明会、外部の福利厚生プラットフォームなど、さまざまなチャネルを通じて大量の情報を提供する。しかし、配偶者の扶養追加、慢性疾患への対応、老後資金の貯蓄、初めての福利厚生の選択など、自身の個別の状況に何が当てはまるかは、依然として従業員自身が判断しなければならない。この複雑さは、固定のデスクを持たない従業員や分散型の労働環境においてはさらに深刻化する。こうした環境では、情報へのアクセスが限られていたり、日常的にメールを利用しなかったり、勤務時間中に資料をじっくり精読する時間がなかったりするからだ。

マネジャーは社内での周知やコミュニケーションを補強するうえで重要な役割を担っているが、福利厚生の選択期間には特有の難しさがある。多くのマネジャーもチームメンバーと同様に福利厚生の専門家ではないため、医療や家計に関する意思決定についての質問に答えることに不安を感じる場合がある。従業員が求めているのは人事・福利厚生チームからの明確なガイダンスであり、マネジャーには、重要なメッセージを補強し、従業員を適切なリソースへ導くためのツールが必要なのだ。

さらに、人事チームがコミュニケーションの有効性を評価する際、私たちは情報が従業員に「届いたか」どうかに焦点を当てがちだ。メールの開封率やクリック率、到達率といった従来の指標は確かに役立つが、最も重要な問いには答えてくれない。すなわち、従業員は自身の選択肢を理解し、次にどのような行動をとるべきかを分かっているのだろうか、という点だ。

調査によれば、従業員は福利厚生について、よりパーソナライズされた案内や、疑問に対するより簡単な回答へのアクセスを求めている。しかし、多くの企業はいまだに、一斉送信メール、長大なガイドブック、説明会、そして更新されないポータルサイトといった毎年同じやり方に依存している。重要な詳細はさまざまなシステムに散在し、難解な専門用語で書かれ、実際の働き方に合わない方法で提供されている。その結果、従業員は混乱したままであり、人事チームは申請期間中、同じ質問に何度も答え続け、双方が不満を抱えたまま終わることになる。

人事チームが取るべきアプローチ

では、福利厚生の周知を改善するために、何ができるだろうか。ここに有効な3つの戦略を示す。

1. 情報を探しやすく、整理しやすくする

福利厚生の選択時に最もフラストレーションが溜まることの一つは、何から手をつければよいのか分からないことだ。企業側が従業員にとって情報の検索、理解、行動を容易にすればするほど、従業員は確信を持って決定を下せるようになる。人事チームは、以下の方法でこの体験を簡素化できる。

・情報を一カ所に集約する

・平易で親しみやすい言葉を使う

・情報を小さく消化しやすい単位に分ける

・従業員が質問しサポートを得るための簡便な手段を提供する

2. 一斉周知よりもパーソナライズを優先する

すべての従業員が同じ情報を必要としているわけではない。役職や勤務地、福利厚生の適用区分が異なれば、疑問に思う点や申請要件も異なる。これらの要因に基づいてコンテンツをカスタマイズすることで、従業員は無関係な情報に惑わされることなく、自分に必要な情報だけを見つけられるようになる。

3. 関心度だけでなく「理解度」を評価する

企業は、情報が従業員に届いたかどうかを測定するだけの段階から進み、実際に理解されたかを評価し始めるべきだ。それには以下のような方法が挙げられる。

・申請完了までのプロセスにおける行動を追跡する

・プロセスのどの段階で離脱しているかを特定する

・頻出する質問をモニタリングする

・意思決定への自信や分かりやすさについて、直接的なフィードバックを収集する

・従業員が想定された通りの行動を取ったかを測定する

双方向のコミュニケーションも同様に重要だ。従業員には、プレッシャーの中で重要な決断を下す前に、質問をし、理解を確認し、サポートを受ける機会が必要である。

福利厚生の選択は「従業員体験」の重要局面

福利厚生の手続きは単なる事務処理と見なされがちだが、従業員にとっては、これからの1年の健康と家計の安定を左右する極めて個人的な決断である。社内コミュニケーションが分かりにくいと、従業員はそれを敏感に察知する。

企業が福利厚生に多額の投資を行うのは、優秀な人材を引きつけ、維持し、支援するうえで重要な役割を果たすからだ。だからこそ、従業員がその福利厚生を理解し、活用できるようにサポートすることは、真剣に取り組むべき課題なのである。

forbes.com 原文

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