【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

ヘルスケア

2026.07.10 10:31

拡大する赤外線サウナ市場、今後10年の成長を左右する潮流とは

Adobe Stock

Adobe Stock

世界の赤外線サウナ市場は、今後数年にわたって好調に推移する見込みだ。Coherent Market Insightsによれば、2033年までに36億4000万ドル(約5910億円)に達し、年平均成長率9.8%で拡大するとされている。筆者の見るところ、この成長は赤外線サウナへの関心が単なるウェルネスバブルやパンデミック期の健康志向にとどまらないことを示している。すなわち、ライフスタイルそのものの変化を意味しているのだ。

関心は予防的健康ケアへと移りつつあり、サウナ市場はこの経済構造の再編を示す一例に過ぎないと筆者は考えている。以下では、サウナ業界で筆者が観察しているトレンドと、企業がどう適応すべきかを紹介する。

構造的変化とD2Cエコノミー

サウナは人気が高まっており、住宅向けセグメントは2025年に市場のほぼ60%を占めた。筆者のサウナ会社でも、今年D2Cチャネルにおいてこの加速を実感している。

住宅向け成長の一因は、かつて高層マンションや一般的な予備の寝室などにサウナキャビンを組み込むことが物流的に難しかった点にあると筆者は考えている。購入者は依然として専用20アンペア回路や特定の床面積といった追加コストを予算化しているが、モジュラー製造の進歩により、より大きな構造的障壁が下がってきたと感じている。サウナは、顧客が選んだ部屋の中でわずかな工具だけで完全に組み立てることが可能になったのだ。

この分野のリーダーにとっての教訓は、モジュラー性と工具不要の組み立てを、機能の脚注ではなく戦略的優先事項として扱うことだ。これによって、アパートや高層マンションへの販売を阻んでいた大きな物流上の障害を取り除くことができ、これまで閉ざされていた市場を開くことにつながる。

これと並行して、「スペック表による思考停止」を解消するように設計された販売プロセスを構築すべきである。顧客がサウナの「利用者」から「所有者」へと移行する際、この状態に陥ることが多いことに気づいている。筆者の経験では、最も洗練された購入者は魅力的で巧妙なマーケティングには動じず、非常に厳格な安全基準と低電磁場(EMF)性能に焦点を当てる。「0.5ミリガウス未満のEMF」といったスペックを具体的な成果に翻訳するガイド役としてチームを位置づけ、洗練された購入者を独学の専門家にさせないようにすべきだ。

最後に、今の時代において最も効果的なマーケティングおよび販売戦術の一部は、製品そのものの科学的根拠に基づいていることを理解しよう。単に「リラクゼーション」をアピールする営業活動よりも、自社製品の科学的根拠や臨床研究を通じて消費者を導く方が、より大きな影響を与える可能性が高い。

モダリティのバンドル:赤外線と赤色光の融合

赤外線サウナ市場で競争するリーダーは、遠赤外線が依然として「必須」であり、前述のCoherent Market Insightsのデータによれば技術セグメント別で市場の約33.5%を占めるという事実に向き合わねばならない。加えて現在、購入者が医療グレードのLED光療法システムをキャビン構造に組み込んで、モダリティをバンドルする動きも見られる。

他のリーダーへの助言は、この融合を踏まえて自社の製品ラインを今すぐ見直すことだ。遠赤外線のみを販売しているなら、リスクにさらされていると筆者は考える。赤色光やLEDといった機能を、後付けのオプションではなく、組み込みまたはバンドルオプションとして統合することを検討してほしい。購入者が段階的にアップグレードできるような階層型のバンドルを提供することもできる。

ただし、臨床的根拠で裏付けられるモダリティのみをバンドルすべきだ。さもなければ、ブランドが依拠する科学的権威を損なうリスクがある。

資材不足と住宅インフラの最終局面

グローバル輸送と原材料調達の物流的困難により、市場の大部分が長期の移行期にあると筆者は見ている。安全な加熱空間を構築するには、清浄で未加工の木材が不可欠だ。多くの主要ブランドやビルダーは無垢のウエスタンレッドシダーに依存してきたが、近年、針葉樹市場は圧力にさらされている。2025年、米国はカナダ(主要な木材供給国)のほとんどの企業からの針葉樹製材に対する相殺関税率を2倍以上に引き上げた。米国はその後、カナダ産針葉樹製材の輸入に対し、追加で10%の通商拡大法232条に基づく関税を課した。

リーダーには、代替樹種を透明性をもって検証するか、あるいは不足時に備えてシダーの長期供給契約を確保し、在庫切れに陥らないようにすることを推奨する。次に、コストをポジショニングに変えることだ。自社のサウナがプレミアム価格帯にあるなら、素材のストーリーを明確に打ち出すべきである。なぜなら、清浄で未加工の木材は、顧客が毎日加熱し、その中で呼吸をする空間における安全性の強力な論拠となるからだ。筆者の経験では、購入者は強力で十分に裏付けられた根拠を示せば、それに対して対価を支払う傾向が強い。

最後に、高級な商業スタジオを意図的で低コストの獲得パートナーとして活用することも重要だ。これらのスタジオは、消費者が製品のメリットを体験できる有料の発見チャネルとして機能する一方で、最終的な住宅向け転換のための獲得チャネルとしても一時的に機能し得る。

筆者の見解では、サウナ市場での成功の鍵は、最も声高なウェルネスマーケティングを行うことではない。むしろ企業は、自社のサウナ製品をエビデンスに基づくものとして扱い、透明性で競うべきだ。一時的な流行というレピュテーションをまだ払拭しきれていないカテゴリーにおいて、信頼こそが商品なのである。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事