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テクノロジー

2026.07.13 11:00

ロボットは人間より高くつく──当面は「ロボット失業」がない10の仕事

stock.adobe.com

介護にかかる割増コスト

看護補助者1人をロボットに置き換えるには、年間約37万5100ドル(約6090万円)かかる。これは、看護補助者の実際の年収4万2200ドル(約685万円)の9倍近い。その理由は、笑ってしまうほど単純だ。訓練を受けた熟練者と同じ水準で、患者に直接触れながら全面的なケアを行うには人型ロボットが必要だが、そうしたロボットは商用製品としてはまだ事実上存在しない。

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これは調査全体を通じて繰り返される指摘である。研究室には優れた技術があり、驚くべきロボットも登場しつつある。しかし、人間と同等の能力を持ち、人間1人をそのまま1台で置き換えられる機械を作ることは、ほぼ不可能である。

「意味のある作業をこなせる人型ロボットを作るには、どの機種でも20万ドル(約3247万円)以上かかります」と、TDKベンチャーズの投資ディレクター、アンクル・サクセナは、まだ公開されていないポッドキャスト番組の収録で筆者に語った。「人型ロボット企業の多くは、こうした費用を自社で補填しています。ロボット1台を作るために数十万ドルもの費用を負担しながら、試験導入に応じる顧客を獲得するためだけに10万ドル(約1624万円)以下で販売しているのです……。このやり方は、大規模に事業を展開するうえでは持続可能ではありません」。

ほかの職種も同様の問題を抱えている。

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2位は在宅医療・身の回りの介護を担う補助者で、自動化には年間約28万2200ドル(約4582万円)かかる。賃金の中央値は3万5800ドル(約581万円)であり、約8倍の割増コストとなる。事情は同じだ。こうした労働者が家庭内で行う身体的なケアは、現在のロボット技術では再現できない。

3位は建設作業員で、自動化費用は年間28万5000ドル(約4627万円)超と見積もられている。一方、賃金は4万7100ドル(約765万円)であり、昔ながらの生身の人間を雇う場合の約6倍に当たる。現実には、稼働中の建設現場で求められる雑多で幅広い作業をすべてこなせる商用ロボットは存在しない。筆者は1000種類を超えるロボットを追跡しているが、その中にも該当するものはない。

4位の一般的な保守・修理作業員は、建設作業員に続き、自動化費用は年間約28万7000ドル(約4660万円)に上る。種類が大きく異なるさまざまな機器について複雑な不具合を診断するには、幅広い問題に対応する能力が必要であり、単一の機械が得意とする仕事ではないからだ。

上位5職種の最後は教員補助者で、年収3万6800ドル(約597万円)の人員を置き換えるには、年間約19万4300ドル(約3155万円)がかかる。費用の問題に加え、この仕事には子どもの見守りや教室内の安全確保も含まれる。学校関係者が近い将来、こうした責任を機械に任せるとは考えにくい。

予想外の展開──人型ロボットは安くなりつつある

現時点では、以上の話はおおむね正しい。しかし、もちろん予想外の展開もある。技術とイノベーションは立ち止まらないということだ。今この瞬間の人型ロボットは、これから先を含めれば最も性能が低い。そして、その言葉は日々、新たに正しくなっていく。

毎週のように、驚くほど精巧なロボットハンドや目を見張る人型ロボットが登場し、AIもますます進歩している。

同じくらい重要なのは、ハードウェアとソフトウェアの両面で技術が向上しているだけでなく、コストを削減する力も大幅に高まっていることだ。ボストン・ダイナミクスの最新型Atlasは、前世代機よりも構造がほぼ1桁分、つまり約10分の1に近いほど簡素になっている。また、1X(ワンエックス)は家庭向け人型ロボットNeoのサプライチェーンを徹底して垂直統合している。同社のデザイン・製品部門責任者、ダー・スリーパーは、製造コストは驚くほど低いと筆者に語った。

しかも、中国での大規模生産については、まだ話題として触れてすらいない。業界が長期的な成熟と再編の過程に入り始める中、基礎的なコストは下がり続けている。

そのため投資家や起業家の間では、いずれロボットが大規模に導入しても費用に見合う存在になるとの期待が強い。その期待には、おそらく十分な根拠がある。筆者のデータによると、人型ロボットにはこれまでに約3000億ドル(約48兆7080億円)が投資されている。投資家は全員、投じた資金から利益を得られると考えている。

しかし、人生にもビジネスにも保証はない。

人型ロボット企業に投資してきたサクセナは、「人間の手が持つ幅広い用途への対応力や器用さには、人型ロボットはまだ及びません」と語る。

最も可能性が高いのは、一部の仕事では役に立つ人型ロボットが登場する一方で、ほかの多くの仕事では引き続き人間が必要になるという展開だろう。そこには、ロボットを管理する仕事、ロボットを保守する仕事、ロボットがうまく対応できない部分を補う仕事も含まれる。

つまり、自動化から安全な10の仕事は、現時点では安全である可能性が高い。しかし、それが永遠に続くとは限らない。少なくとも、現在とまったく同じ形のままではないだろう。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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