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リーダーシップ

2026.07.10 09:45

AIがリーダーの感情知能(EI)を業務のなかで育てる方法

stock.adobe.com

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人材育成のプロフェッショナルを対象とした60回以上のインタビューを通じて、何度も繰り返し登場したテーマがある。それは、AIを活用することで、組織はパーソナライズされたタイムリーな(ジャスト・イン・タイムの)学習を拡大できるということだ。

リーガル・レックスノード(Regal Rexnord)でリーダーシップ開発部門のシニアディレクターを務めるクリステ・ゴールドスミス(Kriste Goldsmith)は、現在、同社のリーダーシップ開発システムの構築を進めており、リーダーシップ戦略にAIを直接組み込むというユニークな機会を得ている。「AIの成熟と歩調を合わせるようにシステムを構築できているのは、ある種の恵みだ」とゴールドスミスは語る。「私たちは古いシステムを改修しようとしているのではない。構築の段階から、リーダーシップ開発システムにAIを直接組み込んでいるのだ」

リーガル・レックスノードはグローバルで約3万人の従業員を抱え、産業用自動化機器、動力伝達装置、送風コンポーネントを製造している。ゴールドスミスは同社を「私たちは、ものを動かす製品をつくっている」とシンプルに表現する。彼女の役割は、世界中の約4000人のリーダーを育成することだ。

リーガル・レックスノードにおけるEIは「パフォーマンススキル」

「リーガルでは、感情知能(EI)をソフトスキルではなく、パフォーマンススキルとして捉えている」とゴールドスミスは言う。その理由は、自己を理解し、信頼を築き、明確さをもたらし、困難な対話をうまく進める(これらはすべてEIの核心的な行動である)リーダーこそが、激しい変化や不確実性のなかでも変革を推進し、戦略を実行し、パフォーマンスを維持できるからだ。

「EIは、当社のリーダーの責務である『影響力をもって率いる(Leads with Impact)』の根幹をなしている」と彼女は語る。感情知能は、自己の理解、他者への影響、勇気、レジリエンス(回復力)など、リーガル・レックスノードのリーダーシップ・コンピテンシー・モデルの複数の領域に現れている。

AIは「業務の流れ」のなかでのリーダーシップ開発を促進する

ゴールドスミスは、リーダーシップ開発において蔓延している課題を指摘する。コーチングや育成を最も必要としている現場のリーダーたちが、パーソナライズされた学習やコーチングを受けられないことが多いという点だ。予算的な観点からも、すべてのマネージャーに対して適時に個別具体的な指導を提供することは、ほぼ不可能である。

「AIによるブレイクスルーは、より多くのコンテンツを作成できることではない」とゴールドスミスは言う。「より個別の状況に合わせた育成を可能にすることだ」。彼女のアイデアは、リーガル・レックスノードのプログラムを「リーダーの強み、ギャップ、役割、経験、そして差し迫った関連性の高い状況に適応させる」ことである。

「最もワクワクするのは、AIが育成の規模拡大を可能にし、すべてのリーダーがポケットにコーチを忍ばせているような状態を実現できることだ」と彼女は語る。

例えば、彼女が手がけるパイロットプログラムでは、重要な瞬間の前にMicrosoft Teams上でリーダーに促し(ナッジ)を行うことに焦点を当てている。重要な瞬間とは、育成面談や難易度の高い1対1のミーティング(1on1)、あるいはリーダーが明確さと感情知能をもって臨むべきその他の対話の機会だ。「私たちは、リーガルのすべてのリーダーに対して、業務の流れのなかで先を見越したスキリングやコーチングを提供する方向へと進んでいる」とゴールドスミスは語る。「これにより、リーダー自身が助けを求める必要性に気づく前に、その重要な瞬間に実際にナッジを送り、導くことができるようになる」

AIはエンドツーエンドのリーダーシップシステム構築を支援する

ゴールドスミスは、リーダーシップ開発を単発の学習イベントの繰り返しではなく、統合されたシステムとして構想している。AIは、パフォーマンスデータ、育成の優先事項、コーチング、そして実際のリーダーシップを発揮する瞬間を、ひとつの連続した体験として結びつける機会をもたらす。例えば、リーダーが部下と面談しようとしているとき、AIはその従業員の育成目標やSMART目標、最新のフィードバックを統合し、コーチング対話の前に提示することができる。何の準備もなく対話に臨むのではなく、リーダーは関連する文脈やコーチングのナッジを得た状態で、より配慮の行き届いた会話を進められるようになる。

「AIを活用することで、これまで不可能だった方法でデータ、学習、パフォーマンスをようやく結びつけることができるようになる」と彼女は説明する。例えば、効果測定において、従来のリーダーシップ開発は、受講完了率、満足度アンケート、自己アセスメント、プログラム前後のアセスメントに依存してきた。ゴールドスミスは、AIを利用してさらに一歩踏み込みたいと考えている。最終的には、リーダーが実際に行動を変容させているか、そしてその行動が従業員やビジネスの成果を向上させているかを評価できるシステムを目指している。

もしリーダーが育成対話の前にナッジを受け取ったとしたら、その対話は有意義に改善されただろうか。「リーダーは立ち止まって振り返ることもできる。対話がどのように進み、自分のメッセージがどう受け止められたかについてのパルス調査(簡易的な質問)を受け取るべきだ」と彼女は説明した。

このように測定とパーソナライズされた学習を結びつけることで、両者が互いを強化する一種のポジティブなフィードバックループが生まれる。

AIは高いEIが求められる対話の練習を可能にする

ゴールドスミスが示すAI導入の最も具体的な例のひとつが、リーダー認定プログラムに組み込まれたAI駆動型のシミュレーションだ。多くのリーダーは、失敗を恐れて難しい対話を避けがちである。AIシミュレーションは、実際の部下と対話する前に、リスクの低い環境でリハーサルを行い、フィードバックを受け取り、やり直す機会を提供する。

この演習では、リーダーは新しいイニシアチブ(取り組み)を立ち上げるという文脈で、企業の価値観について従業員と対話する練習を行う。AIは、リーダーがどの程度適切に期待値を設定し、価値観を伝えているかを評価し、フィードバックは感情知能の領域にまで及ぶ。

「あるシナリオでは、リーダーはプロジェクトの説明をしたものの、従業員が抱く現実的な懸念に対処できなかったとする。AIのフィードバックは、その従業員が自信を持てず、前に進むための心理的安全性も感じられなかったと指摘するかもしれない」とゴールドスミスは例を挙げる。リーダーはフィードバックに基づき、スコアを向上させるために再び対話を練習することができる。

AIはイネーブラーであり、リーダーシップの代替ではない

ゴールドスミスは、AIがリーダーシップの代わりにはならないことを明確にしている。「AIは共感を生み出すことも、信頼を築くことも、勇気をもって率いることもできない。感情知能や優れたリーダーシップの代わりにはならないのだ」と彼女は語る。「テクノロジーは常に、物事を可能にする手段(イネーブラー)だった。AIは、重要かつリアルタイムな瞬間における準備、実践、フィードバック、内省を通じて、リーダーがそれらの能力を構築するのを支援できる。学習をパーソナライズできる。対話をシミュレートできる。重要な瞬間の前にマネージャーにナッジを送り、その後の行動変容を測定するのを支援できる」

したがって、EIにおけるAIの可能性とは、マネージャーがEIスキルをより一貫して実践し、応用できるよう支援することにある。

forbes.com 原文

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