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働き方

2026.07.10 08:36

「不本意な起業家」という問い──ミレニアル世代は自ら起業を選んでいるのか、それとも追い込まれているのか?

Adobe Stock

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現在の経済について、好んで語られるすっきりとしたストーリーがある。それは「労働市場が厳しくなったため、人々は切羽詰まり、自営業を始めた」というものだ。これを「不本意な起業家(フォースト・ファウンダー)」の台頭と呼ぶ。レイオフされ、昇進を見送られ、採用担当者に連絡を無視されたプロフェッショナルが、ずっと夢見ていたからではなく、条件に合うオファーを待ち続けるのが現実的な選択肢とは思えなくなったためにビジネスを立ち上げる現象だ。

説得力のある物語だ。だが、実際の数字を扱う人々によれば、それはあまりにも整いすぎている。

背景にある状況は十分にリアルだ。リンクトイン(LinkedIn)の最新の労働力データによると、採用件数は前年比で減少しており、直近のデータでは約5%減、今春初めには最大8.5%減を記録した。これは過去数年間で採用件数を30%近く押し下げた長期的な減速の一環だ。これに対し、自身を創業者(ファウンダー)と定義するリンクトイン会員の割合は、2022年以降に約75%増加している。教育分野とテクノロジー分野がこの急増を牽引しており、それぞれ90%増と89%増となっている。机の上の計算だけで言えば、それだけで見出しができてしまいそうだ。

しかし、この起業家ブームが厳しい市場に対する条件反射的な反応であることをデータが裏付けているか尋ねると、リンクトインのデータサイエンス部門ディレクターであるシャラット・ラガヴァン氏は、即座にその単純な見方に疑問を呈した。

「残念ながら、リンクトインのデータはそのようなストーリーを物語ってはいません」と彼は語った。

この率直さこそが、今回の対話で最も興味深い部分であり、「不本意な起業家」という枠組みを再考すべき理由でもある。

「必要性」と「機会」は対立するものではない

私たちは直感的に、新しい起業家を「夢を追っている(機会動機型)」か「危機から逃れている(必要動機型)」かのどちらかに分類しがちだ。しかしラガヴァン氏は、データがそれほど明確に分かれているとは考えておらず、私たちもそう分類すべきではないと考えている。

第一に、起業家の急増は採用の減少と完全に歩調を合わせているわけではない。

「起業を決断することは非常に重要なステップであり、必ずしも1カ月の間に起こるわけではありません」と彼は語った。「何カ月もの計画が必要な場合もあります」。起業家の増加は、データ上では安定的かつ「長期的」なトレンドであり、特定の不調な四半期に反応して急増したのではなく、2022年以降一貫して上昇していると彼は指摘した。

そして、必要性か機会かという分類について外部の証拠を探すと、天秤は「機会」の側に傾く。ラガヴァン氏は、まさにこの問題を追跡しているカウフマン財団のデータを挙げた。同財団によれば、近年の新規起業活動のおよそ85%は機会主導であり、その比率は80%台で推移している。パンデミック時に記録した60%台後半を大きく上回る水準だ。

言い換えれば、単に「そうせざるを得ないから」ではなく、「そうしたいから」ビジネスを始める人が増えているようだ。

しかし、ラガヴァン氏が指摘した点で、私が何度も立ち返ってしまう部分がある。それは、「必要性」自体も一様ではないということだ。

「私は必要性を2つのバケツに分類します」と彼は言う。1つは収入を目的とするもの(「仕事を失ったため、収入を得るために起業家にならなければならない」)、もう1つはキャリア転換を目的とするものだ。後者は、希望する業界や都市で適切な職が見つからず、ドアが開くのを待つ代わりに、自分でドアを作ることを決意する場合を指す。

この後者のパターンは「必要性」なのだろうか。それとも、正体を隠した「機会」なのだろうか。「それを判断するのは難しい」と彼は認めたが、その曖昧さこそが、現在のミレニアル世代が直面している経験そのものだ。私たちは、相次ぐ不況やパンデミックを経験し、現在はラガヴァン氏が率直に「低迷している」と表現する労働市場に直面している世代である。私たちは、待たないことを学んだのだ。

自身を「創業者」と呼ばないソロプレナーたち

友人が本格的なコンサルティング事業を運営しながら、「いまはただフリーランスをしているだけ」と言い張るのを見たことがあるなら、このデータに潜む次のひねりはすでに理解できるはずだ。

起業家の数値を押し上げている人の多くは、自分自身を創業者だとは全く思っていない。彼らはコンサルタント、コーチ、クリエイター、あるいは副業家だ。私はラガヴァン氏に、リンクトインのデータはそうした個人の活動も捉えているのか、それとも正式な会社設立だけを対象にしているのかを尋ねた。彼によれば、かなりの部分を捉えているという。リンクトインは「創業イベント」を登記された会社と結びつけてはいない。そして彼は、そうした1人事業をどこか現実味の薄いものとして切り捨てないよう慎重だった。

「それらが規模を拡大する可能性は常にあります」と彼は言う。「だからこそ、私は『これは本物のビジネスではない』と言うことに非常に慎重です。なぜなら、その多くが本物のビジネスに発展する可能性があるからです。まだわからないだけなのです」

法人化も進んでいる。米政府の事業申請データは前年同期比で約8%増加し、前年のペースを上回っている。つまり、人々がCEOという肩書きに抵抗を感じている一方で、静かに書類を提出する人は増えている。不確実性を抱えながらも、公式なものにすることでリスクをヘッジしているのだ。

AIが障壁を下げ、オーセンティシティが新たな障壁を築く

2026年の今日、AIに触れずにこの話を語ることはできない。カリフォルニア大学バークレー校のビジネススクールで起業家精神を教えてもいるラガヴァン氏は、AIをこのトレンドを支える真の原動力と見ている。

「誰もがAIによって参入障壁が下がったと話しており、それは間違いなく事実だと思います」と彼は言った。「多くの人にとって、AIは可能にする存在になっています」。彼はこれをクラウドコンピューティングの登場になぞらえた。かつてAmazon Web Servicesによって、創業者はサーバーラックを購入して管理する必要がなくなった。同じように現在のAIは、かつてなら小規模なチームが必要だった個人事業者に代わって、バックオフィス業務、財務予測、さらには商品の価格設定まで担っている。米国の創業者の77%がリンクトインに対し、現在は起業がより身近に感じられると答え、69%が過去の世代よりも実現しやすいと述べた大きな理由は、おそらくそこにある。

だがAIは与えると同時に、物事を複雑にもする。技術的な障壁が下がるにつれ、人間的な障壁が立ち上がる。リンクトインの調査で起業家の59%は、事業を成長させるためにクリエイターにならざるを得なかったと答えている。あらゆるものがAI生成コンテンツで溢れかえる市場において、オーセンティシティ(真実性、自分らしさ)こそが希少な資源となり、創業者が自ら最高のマーケティング担当者にならざるを得ないとラガヴァン氏は指摘する。

「根本的に、人々はブランドや人物とつながりたいのです」と彼は言う。ジャーナリストとして、私自身もそのクリエイターの領域へさらに踏み込む静かなプレッシャーを感じており、この指摘は腑に落ちた。これは一過性のトレンドではない。新たな標準である。

本当の見出しは「主体性」だ

悲観的な見方を取り除けば、そこにはミレニアル世代が実際に前向きに捉えるべきものが残る。このデータから読み取れる最も確かな解釈は、ある世代が起業へと追い詰められているというものではない。ある世代が、待つことを拒んでいるということだ。

「多くの人々が、低迷する労働市場において、自らイニシアチブをとり、自身のキャリアに対してより強い主体性を持とうとしています」とラガヴァン氏は語る。「それはさほど驚くべきことではありませんが、その傾向がデータに表れているのを見るのは非常に興味深いことです」

彼はそれを力を与えるものだと表現した。私も同意したい。「不本意な起業家」という言葉は見出しとしては優れているが、ミレニアル世代を経済の犠牲者として描いてしまう。数字が示しているのは、むしろその逆に近い。停滞した市場を見つめ、待つことの損得を計算し、代わりに自分自身に賭けることを決めた労働力である。

それは絶望ではないのかもしれない。率直に言って、私はそれを、ひとつの世代がハンドルを握り始めた姿だと思う。

forbes.com 原文

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